選抜総選挙というシステムがモンスターを生み出した?――珠理奈に傷心(ハートブレイク)

『松井珠理奈』

6月16日「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」が開催された。見事1位を獲得したSKE48・松井珠理奈だが、その言動に「怖い」「いけすかない」といった声も。そんな中、AKB48・峯岸みなみの32位は、健闘した方なのかどうなのか、誰か教えてほしい。

 ついにAKB48というグループが、いや、選抜総選挙というシステムが、モンスターを生み出してしまった。今年の総選挙で念願の1位を獲得したSKE48・松井珠理奈その人である。

 私はテレビで見ていたのだが、なんかもう、終始怖かったよね。顔が。不安定だったよね。情緒が。

 17年の渡辺麻友の時も同じようなことを感じたのだが、正統派キャラの娘が1位を狙おうとすると、そのまじめな性格が災いしてか、どうしても鬼気迫る感じが出てしまう。要はマジすぎるのだ。

 いや、真剣勝負だからマジでいいのだが、こちらとしてはアイドルの娘たちがけなげに頑張る姿を見たいだけであって、マジはマジでも「マジ卍」くらいのポップなマジでいいのである。それを珠理奈ときたら「マジ卍」どころか「卍LINE」ぐらいの、もはや「マジつながり」じゃなくて「卍つながり」のマジさ加減でくるものだから、少々引いてしまったとこはある。なんなら、スピーチで文春砲を受けたことを告白したNGT48・中井りかのほうが余程ポップであった。

 ただまあ、これはこれで新しいスタイルを確立したのかもしれない。なんか全体的に「よくわかんないけど、珠理奈1位にしないといけないんだよね!?」という空気がなかっただろうか。人気とか実力とか、好きとか嫌いとか関係なく、なんなら別の娘が推しのファンですら「珠理奈1位にしないといけないんスよね!?」と言わざるをえない雰囲気があったように思う。「気を使わせるアイドル」の誕生。うっすらとだが「ああ、忖度ってこうやって働くのだな」と安倍晋三政権の一片を垣間見た気さえした。もはや国家レベルの影響力である。

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2024.11.22 UP DATE

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