――映像の分野ではNetflixやHulu、音楽の分野ではスポティファイやApple Musicなど、定額のストリーミング配信サービスが席巻する昨今。日本が誇るアダルトビデオの業界でも、ネットでの作品配信に加え、定額の見放題サービスが広まりつつある。そのような作品の流通形態の変化は、業界にどう影響を及ぼしたのだろうか?
業界最大手のDMM.comのR18ページ。
パソコンでもスマホでも気軽にエロ動画が見られるようになった昨今。もちろん、無料で見られるものの中には違法にアップロードされたものも多いが、メーカー側も正規ルートの配信での収益化には力を入れている。
以前はAVといえば、ビデオやDVDの「レンタル」もしくは「セル」での利用者が中心だったが、ネット配信で作品を視聴する人はやはり増えているのだろうか?
「年々増え続けていますね。我々の会社の場合は、セル4、レンタル3、配信3程度の比率でしょうか。配信の利用者が増え始めたのは、iPhoneなどのスマートフォンが普及し、スマホ専用のサイトを立ち上げた頃からだと思います」
そう話すのはAVメーカーの配信作品担当者。ライターでアダルトメディア研究家の安田理央氏は「DMM.comの開設は2003年と、AVの配信が始まったのは結構前のことなのですが、売り上げが伸びるのには時間がかかっている印象があります」と話す。
「海外の音楽などのジャンルでは、配信の売り上げがソフトの売上をすでに上回っていますが、AVはまだまだですよね。それは購買層が40~50代が中心と、比較的高齢なことに関係していると思います。なおフェチ系などのマニアックな作品を手がけるメーカーでは、海外のニーズも大きいため、セルより配信の売り上げが大きくなっている。ただ、もとから愛好者の人数も少ないため、売り上げの金額自体はさほど大きくありません」(安田氏)
では、配信で作品を購入するユーザーの年齢層はどのあたりなのだろうか。