「財務省叩き止めて」が経済部記者のホンネ!? 森友改竄問題の真相

森友問題報道とメディアの社内政治

前財務省理財局長にして国税庁長官であった佐川宣寿氏の辞任、証人喚問問題にまで発展した、森友学園の決裁文書改ざん問題。しかし報じる側の大手メディアの中も一枚岩ではないという。財務省を担当する、大手メディアに所属する経済部のエリート記者たちは何を思うのか? 報道現場を知る新聞記者らに、リアルな話を聞いた。


『財務省が日本を滅ぼす』(小学館)

【座談会参加者】
A:全国紙ベテラン記者
B:全国紙中堅記者
C:全国紙中堅記者

A この2カ月あまりの間に、裁量労働制の拡大をめぐる厚労省のデータ捏造問題【1】や学校法人「森友学園」の国有地売却をめぐる決裁文書改ざん問題、さらには「ない」はずだった自衛隊のイラク派遣の日報が見つかった問題が相次いで発覚し、せっかく回復した内閣支持率が急落、既定路線だったはずの安倍晋三首相の総裁選3選に黄信号が灯り始めたね。

B 森友の改ざん問題をスクープしたのは、3月2日の朝日新聞。財務省の当初の決裁文書と、問題発覚後に国会議員に提示した文書の間で内容に違いがあり、「問題発覚後に書き換えられた疑いがある」と指摘する内容でした。ただ、この手の報道だと最近は、独自入手した文書の写真を載せるなどして、報道の正しさをアピールすることが多い。なのに今回は、特に文書は示さず、「朝日新聞は文書を確認」と書いただけ。文書を「入手」したともせず、関係者の間でも「誤報では」という声が多かった。

C このスクープは、森友問題を捜査する大阪地検の関係者がネタ元【2】とされているよね。捜査機関が当時の決裁文書を保管しているのに朝日新聞が「入手」してしまうと、捜査情報の漏洩になりかねない。だから、あえて「確認」でとどめたのでは、というわけだ。

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2024.11.21 UP DATE

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