コカインからザナックスまで、今アメリカで蔓延する薬物を文化的に考察する上でハズせないのが、前記事でも触れたこれらのラッパーだ。
■過剰摂取で他界した時代の寵児
Lil Peep
ロサンゼルスを拠点としていた白人ラッパー。90年代のグランジやオルタナティブ・ロックのサウンドをトラップのビートに落とし込み、自殺や鬱などについてラップ。2017年11月、フェンタニル(疼痛緩和の合成オピオイド)とザナックスのオーバードーズにより21歳で死去。生前は、ほかにマジックマッシュルームやコカインなどなど、あらゆる薬物を乱用していたとされる。
■ラップより行動が自傷的?
XXXTentacion
フロリダ生まれの20歳。活動当初の曲に「Xxxanax」がある。その後、「Look At Me!」(2016年1月)で注目された頃は、ハードコア・パンクとトラップを融合させたような楽曲でラップし、歌い、叫んでいたが、17年夏にアコースティックなアルバム『17』を発表。同作には自殺した友人を歌った曲もあるが、過去に何度も逮捕されるなど自身の行動自体が破滅的である。