本稿では、前記事「出版不況、小室不倫バッシング……逆風の中、戦う記者たち――違法スレスレ取材にも命をかける週刊誌記者」で取材した、週刊誌記者の一週間をご覧に入れよう。
(絵/師岡とおる)
才蔵くん
週刊誌一筋の37歳・独身の契約記者。年を追うごとにネタ集めのための飲み会がしんどくなってきた。現在の会社は2社目で、政治、事件、スポーツ、経済と、あらゆるジャンルで新たに発生したネタを追う。取材は基本的にカジュアルな私服。実はこっそり他誌でもアルバイトで原稿を書いているので、働きづめの毎日。
【Monday】
殺人事件の取材で一から関係者探し……1週間が始まる
8:00
朝から新幹線に乗り、事件現場で裏取り取材。殺人事件とあって、なかなか質問に答えてくれる人も少なく、近所の方々の声を頼りに取材を続ける……。相手を緊張させないために、あえて服装はスーツではなく、パーカーにダウンベスト、スニーカーと、いつものカジュアルな格好で。
20:00
1日取材をして、なんとか被害者の友人にたどり着くことができた。おばちゃんたちの井戸端会議では朝真暮偽な情報も多々あったが、現場に集うなじみの記者たちと情報交換をしつつ、ここからさらに取材を広げていきたいところ。仕事終わりは、同じく現地に来ていた他誌の後輩記者とともに地元の居酒屋で一献。
24:00
現地のホテルに宿泊。被害者友人からメールがあり、複数の関係者とアポが取れそう。新たな情報をリサーチしつつ、明日の取材に備えて寝酒をしながら就寝。