快進撃続く日本卓球界
このところ、世界でも好成績を残している日本の卓球。女子卓球は、いまやベテランとなった石川佳純をはじめ、17歳の伊藤美誠に平野美宇の活躍が目覚ましい。また男子も好調で、世界上位ランカーも多く、2年後の東京五輪でも、メダルに期待がかかっている。
卓球プロリーグ「Tリーグ」の公式HPより
先月開催された、全日本卓球選手権大会男子シングルス。わずか14歳の張本智和が史上最年少記録を更新して、優勝を果たした。決勝の相手は、リオオリンピック男子シングルスで銅メダルを獲得した水谷隼だった。同大会優勝9回を誇る強敵を圧倒し、NHKで全国に生中継されたこともあって、次代のエースにはメディアが殺到。早速CMにも抜擢され、2020年東京オリンピックでのメダル獲得が、確実視されている。
そんなスーパースターが誕生した格好のタイミングで今秋始まるのが、日本初の卓球プロリーグ「Tリーグ」である。1チーム男女6人の団体戦方式の試合を、全4チームによってホーム&アウェイで行い、20年以降は2部リーグ、3部リーグの発足や、育成機関の設立も予定されている。まさに"この世の春"を迎えんとする日本卓球界だが、先行きに不安を覚える関係者も多いという。
「Tリーグがうまくいくかは大いに疑問です。そもそも、水谷をはじめ、日本の強豪選手達が参加するかはまだわかりません。Tリーグは"全チーム1人は世界ランク10位以内の選手を加入させること"を義務付けていますが、そもそもこれが実現するかどうかもかなり怪しい。一応、卓球大国である中国のリーグと開催時期をずらしてはいるのですが、17年マレーシアでT2アジア太平洋卓球リーグが開幕し、6月から12月まで半年間かけて試合が行われるため、時期が完全にかぶっています。最大賞金総額は175万ドル(約1億9000万円)にも上り、とても契約条件で太刀打ちできるとは思えません」(卓球関係者)