出版界のヒットメーカーが編集を手がけ、瞬く間に100万部を突破した『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)。糸井重里ら著名人も称賛のコメントを寄せ、メディアにも絶賛の記事が並んでいる。本稿では、そんな同書の裏にあるイデオロギーや時代性を、“サイゾー的”に批評、レビューしてみると……。
おたけ・お笑い芸人
1982年、東京都出身。お笑いトリオ・ジャングルポケットの小ボケ担当。本誌では普段アダルトグッズを紹介する連載を担当しているため、取材中は「今日はアナルとかローターとか言わなくていいの?」と始終気にかけていた。
この本って、元は小説なんですよね? マンガだからか、だいぶ読みやすかった。特に最後。コペル君が友達を裏切るシーンは、自分と照らし合わせて読んじゃって。彼は、勇気が出せなかった自分に苦しむじゃないですか。芸人の仕事でも、「前に出るべきところで出なかったときの後悔」のほうが、「思い切ってやってスベったときの後悔」よりも大きいというか。スベるのは、いずれ麻痺して何も感じなくなりますからね。でも、前に出ない癖がついちゃうと怖いまま。俺は後先考えずに前に出るタイプなので、事故ることのほうが多いですけどね。
それとコペル君って、どんな小さいことでも興味をもって紐解いていくじゃないですか。やっぱり、考える癖があったほうが、芸人もネタとかつくりやすいと思いますけど、俺は興味がないことはまったく興味がない。唯一考えることといったら、女の子についてくらいかなあ。「なんでこの間のコンパで、かわいい子を落とせたんだろう?」とかは、気になっちゃいますね。