――テレビCMでもしばしば目にする、リクルート系列会社による美容院の検索・予約サイト「ホットペッパービューティー」。サロン側にとっては商売繁盛につながるありがたいサービスのように思えるが、不満の声も上がっているという。そして、リクルートは“旨味”を最大限まで引き出すべく、美容業界の構造を変えようと動き始めているとか……。
検索結果が上位のサロンほど、高い掲載料を支払っているという。
リクルートの子会社、リクルートライフスタイルが運営するヘアサロンやビューティサロンの検索・予約サイト「ホットペッパービューティー」が、美容業界を牛耳る日がやってくる!? 一般ユーザーからしてみれば、「なぜ?」という話ではあるかもしれないが、危機感を持っている美容関係者がちらほらと出てきている。一体、どういうことなのだろうか――。
ホットペッパービューティーは2007年にスタートし、現在このジャンルの検索・予約サイトにおいては国内最大サイトといわれている。参画サロン数は、ヘアサロンで3万4581店、リラクゼーション・ビューティサロンで3万3540店(2017年10月現在)。それらのサロンが支払う掲載料を収入源として、サイトは成り立っている。ユーザー側にとっては検索や予約だけでなく、お得な割引クーポンが豊富に提供されている点がウケており、スマホ普及率が高まったこの5~6年ほどで特に存在感を増してきた。
一方で、サロン側からは不満の声も少なくない。美容業界関係者は、こう語る。
「よくある不満は、『新規客は集められるが、リピートにつながらない』というもの。新規向けクーポンを使ってサロンを渡り歩くユーザーが結構いるんです。また、『新規客獲得のためにクーポンを乱発し、安売り合戦の温床になっている』という声もあります。それで期待通りに売り上げが伸びず、『掲載料がかさむ』と不満を募らせる。しかし、競合サロンが参画しているから掲載をやめるわけにもいかず、結局はサイト内での競争が激化しています。『ホットペッパービューティーに掲載しているから大丈夫』と思うのは間違いで、そのサロン独自の戦略がないと負けてしまうんです」