【フレンチ・モンタナ】アラブなのにフレンチ!? モロッコ系最強ラッパー

『Jungle Rules』

フレンチ・モンタナ(販売元:EPIC)

現在話題の「A Lie」はウィーケンドをフィーチャー。エチオピア系カナダ人がモロッコ系アメリカ人の曲で「マイ・ニガズ」と歌う……時代は変わっていくのだな。今どき珍しいほどビデオに金がかかっていることにも感心。スワエ・リーがサビを歌う「Unforgettable」のビデオはウガンダで撮影されたもの。これにも感心。


 20年以上前だが、UKレゲエ界にアパッチ・インディアンという人気DJ(ラッパー)がいた。「Make Way For The Indian」という曲には、あの「Fuck Compton」でおなじみのティム・ドッグが参加。ああ、東西抗争も遠くなりにけり……と物思いにふける、2パック映画の字幕監修者(それは私)。

 さて、アパッチ・インディアン。こんな名前だが、ネイティブ・アメリカンのアパッチ民族の血は一滴も引いておらず、実際にはインド系(さすがUK)。「インド系=インディアン」「インディアンといえばアパッチ」という連想からのシャレ芸名なのだ。

 今回の連載で取り上げる主人公も、それに近い民族詐称系ラッパー名が印象的な男である。

 さて、以前の本稿でも触れた通り、ヴィン・ディーゼル信奉者の私にとって、今年のベスト映画は『トリプルX:再起動』に決まっている。『ワイルド・スピード』ほどではないが、同作は音楽も良かった。特に主題歌「In My Foreign」だ。アーティスト名義はジ・アメリカーノズだが、実際の主役はラッパー4人だ。そのメンバーに含まれているのが、今をときめくフレンチ・モンタナである。

 フレンチ・モンタナ――「後半モンタナ」の起源は映画『スカーフェイス』のトニー・モンタナなのか? そこはいいとして、問題は「フレンチ」の部分だ。先に参考例として挙げたアパッチ・インディアンがアパッチでもアメリカ先住民でもないのと同様に、フレンチ・モンタナはフランス人ではないのだから。

 その正体はモロッコ系アメリカ人。民族でいえばアラブだ。

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2024.11.22 UP DATE

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