――カメラマン・デザイナー、そして親日家としても知られるアッシュ・ハドソン。そんな彼が自らが体験した日本の“アングラ文化”を詳細にレポート。
ショコラ/インスタグラム〈@chocola0910〉
ある日、大阪の友達から「女性でドラァグクイーンの格好をしているパフォーマーがいるから、会ってみないか?」と1枚の写真を見せてもらった。そこには、男性がドラァグクイーンに扮装しているかのように着飾った人物が写っていて、俺は日本はおろか、アメリカのゲイ・カルチャーにも詳しくないから、「女性がドラァグクイーンをやっている」ことに衝撃を受けた。
こうしたドラァグクイーンの格好をしているレズビアンの女性を〈バイオクイーン〉と呼称するらしい(日本のゲイ・カルチャーに詳しい友人の話によれば、国内で女性のバイオクイーンは3~4人しかいないそうだ)。サンフランシスコでは、バイオクイーンのイベントも催されているみたいで、俄然興味が湧いてきたので、写真に写った女性と会うことにした。
彼女の名前は「ショコラ」という。取材時、彼女はノーメイクで現れた。とてもかわいらしい女性で、すでに10年近くバイオクイーンとして活動していると笑顔で語る。
「私はバイオクイーンのファッションが気に入って、この活動を始めることにしたの。でも、私はレズビアンじゃないの。だから、ゲイ・カルチャーそのものにどっぷり浸かっていたわけではないのよ」