【横山 剣】「『こっちかな?』って予感がするほうにハンドル切っているうちに、20年たっちゃった」

――クレイジーケンバンド結成20周年を記念したベストアルバムのリリースや、全国ツアーが控え、さらには横山剣初主演映画も公開されたりと、まさにお祭り状態なクレイジーケンがこれまでの軌跡をたどる。

(写真/有高唯之)

「世界は優しくない(ここ重要)が、優しさを内包している人間がいて、ポロリとそれを見せてくれることがある」──これは劇画家・バロン吉元の画集『画侠伝』(リイド社)を監修したマンガ家・山田参助が同書に寄せた一文だが、クレイジーケンバンド(以下CKB)・横山剣の初主演映画『イイネ!イイネ!イイネ!』を見終わった後、その言葉が閃いた。CKBは今年で結成20周年と、まさにバンドの記念すべき年に映画が公開されたが、横山自身は昨年でデビューから35年と、今に至るまでは長い道のりだった模様。そんな「東洋一のサウンドクリエイター(自称)」に、これまでの活動を振り返ってもらった。

──映画のそもそものきっかけは、なんだったんですか?

「2010年に発表した『漢江ツイスト』という曲があって、それを映画化したいというお話をいただいたんです。昔から『曲のためなら、チョンマゲにだってなってやる!』と思っていましたので、ここは一肌脱ごうと」

──アチャラカな映画かと思いきや、『アウトレイジ』+バンドムービー+ラブストーリー+横浜+韓国な娯楽作で、剣さんだけでなくCKBメンバーも予想以上に活躍していましたね。追手を阻んで、メンバー全員が派手に登場するシーンとか。

「あれはザ・スパイダースとかザ・ジャガーズとか、昔のGS映画みたいなノリです。今回の映画には、いろんな映画のオマージュがちりばめられております」

──20周年を迎えたCKBですが、ここまで続けてこられた秘訣とはなんでしょうか?

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