平成の伊藤野枝か? はたまた、ただの天然女優か? 能年玲奈は天性のアナキスト!? ライターKの“のん浴”日記

――能年玲奈が「のん」に改名して早くも1年近くがたとうとしている。しかし、改名以降の活動は『この世界の片隅に』での声優以外、あまり知られてはいない。そこで、「のんは平成の世に生を受けた真のアナーキストである!」と喝破する“のん追っかけライター”Kが、のんの現状を明らかにする!

写真上/寒い中、薄着で耐えるのんさん。写真下/久慈市の遠藤譲一市長から記念のタテをもらうのんさん。

 わたしは重度の「のんさんヲタ」である(敬愛をこめて「のんさん」と呼ぶ)。そもそもはNHK朝ドラの『あまちゃん』がきっかけなのだが、いまや、東西南北、のんさんのイベントがあれば駆けつけ、のんさんを生で見ることを生きがいとしている。

 今回、芸能特集にあたってのんさんにスポットを当てた記事を、と編集部から依頼され、これまでのわたしの“のん活”(のんさん追っかけ活動)とのんさんに対する自分なりの考えをまとめてみようと思ったのが、本稿執筆の動機である。

 さて、わたしを含むのんさんヲタにとって、ここ最近うれしいことが立て続けに起きている。そう、のんさんが復活の兆しを見せているのだ。主演声優を務めた昨年11月12日公開の映画『この世界の片隅に』が興行収入25億円を突破し、いまだロングラン上映中。今年1月にはJA全農いわての宣伝本部長に就任、3月には電動アシスト自転車「BESV」のブランドアンバサダーに、さらには同月、スペイン発のファッションブランド「Jocomomola de Sybilla」(ホコモモラ・デ・シビラ)とのコラボレーションプロジェクト「ホコとのん」が発表されるなど、のんさんの活躍の場が徐々に広がっている。そして何よりのんさんヲタにとって喜ばしいことが、3月よりオンエアされている「LINEモバイル」のCMだ。テレビ画面を通して動くのんさんが見られるなんて実に久しぶり。キリンジの名曲「エイリアンズ」をBGMに白シャツ姿でたたずむ姿がなんとも印象的なCMである。また、地方限定ながらも岩手銀行のCMにも出演している。なおかつ、のんさんの生まれ故郷である兵庫県神河町の観光PR動画への出演も決まり、今夏完成予定だという。

 のんさん、よくやった! 逆風をもいとわぬこの一連の流れを、“のんさん快進撃”といわずしてなんという!

初めて体験した“のん浴”――体が芯から温まる!

 では、そもそもなぜのんさんに逆風が吹いてしまったのか? 周知の通り、前所属事務所であるレプロエンタテインメントとの独立トラブルが表面化したのは15年のこと。そこから逆風が吹き始め、“飼い殺し状態”となったが、1年後の16年7月に個人事務所「株式会社non」を設立し、活動を再開している。

 しかし、「活動」といっても、のんさんヲタ以外にはその活動内容が広く知れ渡っていないことも事実。そこで、のんさんが具体的にどんな動きを見せているのか、紹介したい。

 独立以降、のんさんが公の場に初めて姿を現したのは16年9月18日。NHK朝ドラの『あまちゃん』の舞台となった岩手県久慈市の駅前で行われた「久慈市応援セレモニー」だ。

 わたしはこの日、初めて生でのんさんを見た。

 9月といえど、東北の海沿いの街、のんさん待ちで数時間前から久慈駅前で場所取りをしているとずいぶん体が冷えてくる。もっと厚着してくればよかったなぁ……なんて軽く後悔をしていたのだが、ついにのんさんが目の前に現れると、なんと体の芯からポカポカして温まってくるのだ。そして、それまでたまっていた疲労感が一気に吹き飛ぶ。これはまるで温泉だ。この、生ののんさんが近くにいると体が温まる現象をわたしは“のん浴”と名づけ、これまで以上にのんさんへの情熱がヒートアップすることになる(ちなみに“のん浴”なるワードはのんさんヲタ界隈では使われていない、わたし独自のワードである)。

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