土佐から全国、そして世界に広がるよさこい――創作で独自の価値を見出す祭り

――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

昨年で63回目を迎えた高知県の「よさこい祭り」。今や本家の勢いを凌駕するほど、全世界的に踊られるよさこいだが、土佐のオリジナリティに勝るものはない!

 マツリ・フューチャリズムを考える上で、各地の「よさこい系祭り」を避けて通ることはできない。よさこいの本家本元「よさこい祭り」が高知県高知市で始まったのは、1954年。古くから受け継がれてきた伝統行事のようで、実はそこまで歴史は長くなく、戦後、爆発的な盛り上がりを見せていた徳島県徳島市の「阿波おどり」に対抗し、地域活性化策のひとつとして地元の青年団が発案したものだった。それが90年代以降、全国で知られる著名な祭りへと成長した。三浦展の『ニッポン若者論 よさこい、キャバクラ、地元志向』(ちくま文庫)によると、よさこいを踊ったことがある女子高生は全国で53.2%、男子高生でも47.7%。約7年前の統計だが、現在はこの数字よりさらに増えているはずだ。

 よさこいの特殊なところは、本場・高知のものを参照した発展バージョンが各地で行われていることで、名古屋市の「にっぽんど真ん中祭り」、東京・渋谷区の「スーパーよさこい」、仙台市の「みちのくYOSAKOIまつり」、岡山市の「うらじゃ」などなど枚挙に暇がない。その中でも、もっとも強い影響力を持つのが、92年から札幌市で開催されている「YOSAKOIソーラン祭り」だ。90年代以降の「よさこい系祭り」の乱立は、この祭りの大成功によるところが大きい。

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2024.11.22 UP DATE

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