新宗教団体(?)「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」による、『メキシコのタマ(Ball)』のコンセプチュアル・アート
トランプ政権が樹立し、早2カ月がたとうとしている。キリスト教右派や、WASPといった層からの支持を多く受けているが、一方でアメリカの新宗教はトランプ大統領をどう思っているのだろうか?
ポルノ雑誌「ハスラー」のラリー・フリント氏が、トランプ氏のわいせつ立証映像に賞金1億円を提供することを発表したり、共和党、民主党と、毎号交互に政党を批判してきた風刺雑誌「MAD」が反トランプ一辺倒になったりと、多くの雑誌は新政権への批判の手を緩めていない。その大きな理由は「イスラム教徒の入国制限」といった、強烈な排他的主義だろう。それでは、昨今のイスラム教徒のように、これまで虐げられてきたアメリカの新宗教や、その関連機関紙はトランプ政権についてどう考え、どのような立場を表明しているのだろうか?
まずは、アメリカの新宗教の中でも最古のひとつに数えられる末日聖徒イエス・キリスト教会(通称モルモン教)だが、選挙中から反トランプの姿勢を明確にしている。教会が所有する日刊紙「デザレット・ニュース」が、80年来の伝統であった政治的中立を破り、トランプ氏に選挙戦からの撤退を呼びかけたのだ。その影響か、教団の本拠地であり住民の6割が信徒であるユタ州では、大統領選でモルモン教徒の無名候補が躍進するなど存在感を見せた。(結果はトランプ氏の勝利)