確固たる地位を築く老舗事務所
マネジメント事業に加え、自社にオーガスタレコード、アツガレコード、オーギュメントレコードなどのレーベルも運営するオーガスタ。最近では、映画公開当時の主題歌がスガシカオだったこともあってかパチンコメーカー藤商事の「CR仄暗い水の底から」の大当たり中の楽曲をまとめたコンピも出すなど、手広く事業を展開している。
オーガスタの七不思議と言われている山崎まさよしが出演した「ウコンの力」のCM。オーガスタがユニバーサル傘下となっても、「僕はここにいる」!
「ユニバーサルミュージック合同会社は、この度、株式会社オフィスオーガスタの全株式を譲り受けることになりました。ユニバーサルミュージックとオーガスタは関係を強化しつつ、双方の事業発展を目指します」――国内最大手のレコード会社であるユニバーサルが、昨年末に発表したプレスリリースだ。オフィスオーガスタ(以下オーガスタ)とは、92年に設立された音楽制作プロダクションで、山崎まさよしをはじめ、杏子やスキマスイッチ、秦基博、元ちとせなどのアーティストが所属している事務所として知られているが、大手レーベルによる全株式取得の報道は、音楽業界関係者の耳目を集めた。さらに1月に入ると、ユニバーサルの社長兼最高経営責任者である藤倉尚氏がオーガスタの代表取締役会長を兼任し、オーガスタ取締役の千村良二氏が同社の代表取締役社長に就任することも発表。これによってオーガスタに所属するメジャーのアーティストは、すべてユニバーサルに移籍【1】をすることは既定路線となった。
しかし実は、現段階でユニバーサルに籍を置くオーガスタ所属アーティストは山崎まさよしのみ。それ以外はソニー傘下のオーガスタレコードに籍を置いている。すでにユニバーサル内にはオーガスタの専門レーベル〈AUGUSTA RECORDS〉が新設されることが発表されており、2月1日付で発表された人事では、ユニバーサル社内の本部長や次長など、錚々たるキャリアが新設部署への異動(兼務)が決定。しかし、社内では気乗りしていないスタッフが多いという。
「優れたミュージシャンを抱えているオーガスタですが、現在は一時ほどの勢いが感じられません。また、ユニバーサル以外に在籍するアーティストを受け入れるとなると、それだけでも再契約金などの金が動くので、金脈とならないアーティスト=負債を抱え込んでしまったのではないかと感じているスタッフが少なくないようです」(大手レコード会社スタッフ)