――経済誌の年末の風物詩である“未来予測”特集。翌年の展望を占う予測は、読み手の興味を引く。ただ、現在の科学力で正確な経済の未来予測などは事実上不可能だ。それでは、各誌の編集者たちは、どのようにして、これらの制作に当たっているのか? 現場の声に耳を傾けてみると、意外な、しかし聞いてみればまっとうな答えが返ってきた……。
もし、川村ゆきえちゃんに会いたければ、企画をこじつけさえすれば、ここぞとばかりに会いにいける!?
昨今では「不確実性の時代に突入した」などと表現されるだけに、経済の予測となると非常に難度の高い作業になると考えられる。毎年、経済シンクタンクがGDP予測を競い合うが、当たったためしはほとんどないのがその証拠だろう。
そのため各経済誌は年末の予測特集に向けて、血のにじむような努力をしていると思われがちだが……。その制作舞台裏はどうなっているのだろうか? 経済誌の記者たちに話を聞いてみると、前ページまでと同様「本来的な予測をしているものはない」という見解が返ってきた。
「各誌が本気で予測を作っているのであれば、比べる価値もあるかもしれませんが、“来年の論点”を見せるためだけにやっているくらいのものですから。未来予測といっても、何か強く主張しているわけでもないですし、強烈なオピニオンもないんですよ」
舞台裏についてそう話すのは、大手経済誌の編集者A氏だ。「新年に備える」「大胆予測」などと銘打ってはいるものの、現実は翌年の話題になりそうな論点を提示するに止まっているという。
その証拠としてA氏は、各誌の予測内容には差異がないと指摘する。