【クロサカタツヤ×後藤健夫】迫りくる教育の「2020年問題」。真の問題は、マニュアルされた教師たち!?

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出典:共同通信より

目下、子育て中の親たちの注目を集めている、2020年に実施される大学入試改革と順次改訂される学習指導要領。学習指導要領が変わりアクティブラーニングが導入され、子どもは自分の知識を総動員して考えて問題を解決することを学んでいくことになるわけで、これまでの知識詰め込み型の教育は通用しなくなっていくのだ。これに対し、子どもだけでなく、そうした教育を受けてきた親や教師たちも、考えの転換を求められていくことになるが……。

クロサカ 以前、豊福さん【1】と現在進行中の教育改革について議論しましたが、今回はそれらの背景や、この変革で何が起きるかを、教育ジャーナリストの後藤さんに伺いたいと思います。

後藤 社会に対して日本の教育システムが追いつかなくなっているんですね。今の教育制度は60年代の高度成長期の勉強の仕方、つまり知識を詰め込んで効率的に物事を処理する方法を学ぶもの。ところがそれでは立ち行かなくなってきた。そこで文部科学省が「高大接続改革」【2】として抜本的に変えようとしているんです。

クロサカ 2020年からの大学入試改革と小学校から順次改訂される学習指導要領ですね。

後藤 はい。ちょうど今の中学2年生から大学入試が変わります。だから、それより下の世代は新しい入試にあった勉強をしないといけない。ところが学校教育の中身を決める学習指導要領が高校では22年に変わるんですね。だから、新しい入試にあった指導要領で高校3年間を学べるのは、今の小学4年生からになる。ここにギャップがある。この過渡期の子どもは、下の世代に追い越されてしまうことが明らかなんです。

クロサカ それって社会問題じゃないですか。制度的に過渡期ができてしまうのは、他の分野でも多少はあります。でも、今回は、今の中学2年生から小学5年生と明示できるくらいはっきり見えている。ゆとり教育世代と同じことになるんじゃないですか?

後藤 ゆとり教育は、主体的に目標を持つ子どもにとっては自ら選択できるところがよかったんです。でも、そうでないゆとり世代の多くが教育制度に対して未だに文句を言っている。自分たちが受けた教育が悪いと言い続けるのは簡単だけど、それを言っている間に次の世代に追い抜かれちゃう。今の中学2年生から小学5年生は、追い抜かれないために新しい教育を意識して努力しないといけない。

クロサカ 一方で、ゆとり教育を受けてきた今の20代前半にはグローバルに活躍しているスポーツ選手が多いです。これだけ飛び抜けているのは、ゆとり教育のよい面が無視できないですよね。でも、それはかなり限られた人。今度の教育改革において、そうではない人はどうすればいいんですか?

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