人を貸し出す図書館、【ヒューマンライブラリー】で世界を敵に回してもいい出会いを果たす

――元放送作家で、現在は脚本家として心機一転活動する林賢一が、生のトーク現場に裸一貫突入! 事務所の大看板・古舘伊知郎を始めとした先達たちが繰り広げるトークライブをレポートする。

『第8回 明治大学 ヒューマンライブラリー』

人物:ヒューマンライブラリー
日時場所:2016年11月27日 @明治大学 中野キャンパス

2000年にデンマークで始まった「人を本に見立てて読者に貸し出す図書館」a.k.a.ヒューマンライブラリーに突撃。社会的マイノリティの方々が、1対1でトークを繰り広げる。


 貸し出すのは本ではなく、人間。そんな図書館があるのをご存じだろうか? その名はヒューマンライブラリー。もともとは2000年にデンマークの野外フェスで始まり、現在では世界70カ国以上で開催されるイベントに成長した。障害やマイノリティを抱える人への偏見を減らし、理解を深める趣旨だという。基本的には「本」となる社会的マイノリティの方と読者(来場者)の1対1の対話で進行していく。先日、明治大学で行われたこのイベントに参加してきたので、紹介しよう。

 まずは受付で同意書に署名から。「本」となる方の個人情報守秘や撮影録画禁止などの基本的な事項が記されており、興味本位で「本」の方々を傷つけるような質問も禁止されている。同意して署名した後、貸し出しカウンターで「本」の予約となる。1冊の「本」の貸し出し時間は30分。この日は30名を超える「本」がラインナップされていた。その間、「本」たちと教室の中で2人っきりで過ごす。ゆえに、自由に「本」を読めるわけではない。貸し出しカウンター横のスクリーンにはタイムスケジュールが映し出されており、来場者各人が先着順で予約してゆく。

「本」のカテゴリーをいくつか挙げておこう。義足ランナー、全盲の大学教授、ゲイの区議会議員、口で描く画家、ムスリム、うつ病とがんのレスラー、アルビノ、性被害サバイバー、筋ジストロフィー患者など。中にはポリアモリーという聞き慣れないワードもあり、これは複数愛というライフスタイルで、それぞれが合意の上で浮気でも不倫でも二股でもなく、誠実に複数恋愛をして性愛関係を築くのだという。

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