――どんなに動画サイトが勃興しても、結局話題になるのはテレビでもおなじみの人ばかり。そんな中「素人」に付加価値のつく動画がある。それが、ライブチャットだ。自らの痴態をアップして、人気者へと成り上がる素人ポルノスターが世界中で増えているらしいが、同時に怪しい噂も見え隠れ。そんなアングラなエロの裏側に迫る。
■ライブチャット基礎知識
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アダルトサイトの世界で、ライブチャットが存在感を増している。ライブチャットとはウェブカメラでライブ動画をネット配信しながら、マイクで話したりタイピングでコメントしたりするサービスだ。アダルトとノンアダルトの2種類があり、前者は配信者がコメントしてくる視聴者たちの要望にこたえて服を脱いでいき、下着姿や手ブラになる。ただ、後者でも主となるやりとりは下ネタ。そこから、さらにツーショットとパーティチャットに分かれる。ツーショットは配信者のチャットルームに、ひとりの視聴者だけが入室し、やりとりするビデオ電話のようなもの。パーティは複数の視聴者が、配信者のいるチャットルームに入室するというものだ。
ライブチャットにはパソコンの画面を通して、タダで痴態を見せてくれる“女神”たちがいるというわけではない。彼女たちの目的は金だ。ライブチャットには誰でも見られる無料配信だけでなく、クレジットカード払いでポイントを購入した視聴者のみが見られる有料配信がある。そこでは、配信者がリアルタイムで視聴者が支払った金で服を脱ぎ、裸体だけでなく、性器が映りそうなぐらいのオナニーまでも見ることが可能。そして、視聴者が払った有料ポイントを手数料は差し引かれるが、配信者は現金化できる。そのため“IT系風俗”という認識が一般的である。
配信者と視聴者のやりとりや動画内容は、日本でも海外でも大差ない。しかし、そんなライブチャットをめぐる環境は大きく異なるようだ。性風俗研究家・松沢呉一氏は、海外の大手ライブチャット『CAM4』を長年ウォッチしてきた経験を語った。
「世界中のあらゆる国からさまざまな人が配信しています。ゲイなどセクシャルマイノリティが多いのもCAM4の特徴です。どこまで仕込みかはわからないですけど、“仕事中”と言って、職場らしきデスクの下にカメラを設置してパンチラ配信する人もいました。また、日本人でも普段はニコ生で配信している女の子が裸で下手なバイオリン弾いていましたよ。エロが前提にあるんですけど、個人的にはYouTubeを観る感覚にも近い。パフォーマーの工夫が面白いんですよ」