――音楽を愛するB-BOYの美学は、アナログをディグるという〈掘る〉行為だが、芸術を愛するB-BOYは、〈彫る〉行為でアートの頂点を極める!
(写真/西田周平)
1970年代、ニューヨークで生まれたヒップホップカルチャーの中で、ブレイクダンスを踊る人々の総称として生まれた言葉〈B-BOY〉。世界で唯一のB-BOY彫刻家であるTAKU OBATAは、実兄の影響でブレイクダンスを始めた生粋のB-BOYであり、地元・埼玉県所沢にて99年に結成したブレイクダンス・チーム〈UNITY SELECTIONS〉での活動により、日本のダンスシーンでは名の知れた存在であった。
「同じ高校に通っていた兄貴が、デザインの勉強で大学へ進学するんですが、それを見て自分も好きなことをやろうって考え始めて。自分はB-BOYとして表現する側だったので、そこから映像の制作に興味を持ち始めたんです」