ついに月9史上最低視聴率を更新! 福山『ラブソング』惨敗と“月9”視聴率報道の誤解

――今クールの月9ドラマ『ラヴソング』(フジテレビ)が、史上最低視聴率を更新してしまい悪い意味で話題だ。それでなくてもこのところ月9は視聴率の低迷が続いている。福山雅治の結婚後初主演作として注目を浴びていたにもかかわらず、なぜこのような結果になってしまったのか? 月9枠を中心としたテレビビジネスの変遷を見つつ、現代のドラマ産業のあり方や、視聴率の存在について、あらためて問いなおしていく。

『ラヴソング』の、巻き返しはあるのか?

 4月クールの月9ドラマ『ラヴソング』の視聴率低迷が話題となっている。月9不調のニュースは近年珍しくないが、今作はダントツだ。初回こそ何とか10%のラインを守ったものの、回を重ねるごとに下降の一途を辿り、6回目にしてついに6・8%と月9における単話視聴率の歴代ワースト記録を打ち立ててしまった。同枠においては『ガリレオ』シリーズというヒット作を持つ福山雅治の、しかも結婚後初となる主演作という話題性をもってしてもこの成績とは、誰が予想しただろうか。

 かつて「月曜の夜は東京の街からOLが消える」と言われるほどの人気を誇った月9ブランドは、すっかり地に堕ちてしまったのか? 録画機器の高性能化、「Hulu」「Netflix」などの動画配信サービスが人気を博すなど、大きく視聴環境が変わりつつある今、国民的ドラマ枠が直面する問題や今後の展望について考えてみたい。

ついに最低視聴率更新! 月9はもう意味がない?

 月9ドラマの始まりは、1987年にさかのぼる。それまでバラエティ番組を放送していたフジテレビの月曜夜9時の枠がリニューアルされ、ドラマ枠になったことがきっかけだ。記念すべき第1作目は『君の瞳をタイホする!』。それからわずか数年後に放送された『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』(共に91年)の最終回視聴率は共に30%を超え、トレンディドラマを代表する記念碑的作品となった。この大ヒットをもって、月9はフジテレビの看板枠としての地位を確立する。以降、江口洋介&福山のコンビによる『ひとつ屋根の下』(93年)、SMAPの木村拓哉が主演した『ロングバケーション』(96年)、『HERO』(01年)、松嶋菜々子主演のラブコメ『やまとなでしこ』(00年)など数々のヒット作に恵まれ、00年代前半にかけて黄金時代を築き上げる。

 ところが、盛者必衰とはよく言ったもので、10年代に入り、月9の前に暗雲が立ち込め始める。視聴率の低下が目立ち始め、ネットなどでも「月9最低視聴率更新!」といった記事が散見されるようになる。

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