――連日のように全国の法廷で行われている性犯罪の裁判。そこには、ドラマを凌駕するハレンチな物語が生まれていた。法廷でリアルに飛び交った裁判官/検察官/弁護人/被告人たちの鋭きパンチラインを紹介しながら、性犯罪の闇を覗き見してみたい。
(写真/有高唯之)
エロは基本的には気持ちよくてとってもイイものだが、時と場合が不適切であったり、相手の合意がない性的行為は、もちろん犯罪だ。しかし、この国では日夜さまざまな性犯罪が発生し、その後司法で裁かれる裁判の場では、予想もしなかったドラマが生まれることもあるという。本稿では裁判ウォッチャーである阿曽山大噴火氏に法廷内でつまびらかにされる性の多様さ、そして飛び交う強烈なパンチラインのピックアップを依頼。グラビアアイドルとして活躍し、さらに“痴漢を覚醒”させ、“男性の性的欲望のリミッターをも外し”、“盗撮犯を見抜いた”こともあるグラドル・齋藤夢愛ちゃんに登場いただき、性犯罪から学ぶ芸能界生き残りの処世術を伝授するつもりが……。
阿曽山大噴火(以下、阿曽山)さて、今回の企画にあたり、いくつかの性犯罪裁判のパンチラインをピックアップしてきました。夢愛さんは“性犯罪”と聞くと、どんな印象を受けますか?
齊藤夢愛(以下、夢愛)女性としては、性犯罪と聞くと、怖くてビクッとしちゃう。と同時に、不謹慎かもしれませんが、きっと性犯罪を犯す人って、普通の人にはない、かなり特殊な考え方を持っていたりすると思うので……そういう意味も含め、今回はぜひ、いろいろ勉強させてください!
阿曽山 ちなみに性犯罪裁判で、もっとも多い事件は痴漢なんですが、早速ひとつめの事件からいきましょうか。痴漢裁判で特に珍しかった、36歳の男性芸人のケースです。
罪状:強制わいせつ罪(芸人・36歳)
概要:満員電車で16歳女性の下着に手を入れ、さらにピンクローターを股間に押し当てた。約15年前に痴漢の前科あり。
パンチライン:「こんな物を使って周りにバレると思わなかった?」という裁判官の質問に対して
「どうしてもローターを使いたいという気持ちが先走った」
阿曽山 罪状は強制わいせつ。同じ痴漢でも、直接肌に触れると強制わいせつ、衣服の上からだと罪が軽い迷惑防止条例等違反となります。
夢愛 肌の場所は関係ないんですか?
阿曽山 腕でも胸でも陰部でも、肌に触れたら同じ強制わいせつ。
夢愛 へー、勉強になります。
阿曽山 この被告人は満員電車で16歳の女性の下着に手を入れて陰部を触り、さらに用意していたピンクローターを押し付けました。
夢愛 ピンク……ええっ?