黙って死ぬわけにはいかない出版界
デジタルガジェットの発達によって人々のライフスタイルが変化した結果、出版界の市場規模は縮小し続けている。こうした状況に対して、各社が講じる対策がようやくあらわになってきた。新事業の発足に、社内体制の再編など、出版界は今後激動の数年を迎えそうだ。
最近ではなかなかヒット作や売れっ子作家が出ないラノベ。なお「新潮文庫nex」は、ラノベ的でありながら「ラノベじゃない」という。
A:中堅出版社編集担当
B:大手出版社編集担当
C:中堅出版社営業担当
A 売り上げが落ち込む一方の出版業界だけど、なんとか新しい収入源を、と各社が躍起になっている。今回は、3月末決算の会社も多い出版界の内情について、見ていこう。
B 講談社も減益続きだし、小学館は、平成28年2月期決算の売上高が1000億円を割ったそうですが、もはや驚かないですね。まあ同社の場合は、社員の給料が高すぎるのもあると思うけど。
C 同社は、社内体制改革にも一部分で着手し始めたみたいです。「週刊ポスト」や「女性セブン」などの記者・編集者を囲い込む新会社を設立して、高すぎる給与の調整を行うのだとか。30代で1000万円は堅いといわれていた金額の、半分ほどだと聞きました。
B 今は、どこの出版社も給料が下がっていますからね。
A 2015年に、社内カンパニー制を廃止したKADOKAWAも給与体制の統一が行われたね。