――前の記事まででは、ソシャゲ業界の現在の勢力図と、そこに内包される問題をチェックしてきた。それでは、現場で働いている人たちは、今の状況をどう捉えているのか?
自社ゲームのコミカライズのみならず、完全新規作品も掲載予定という「サイコミ」。
[座談会参加者]
A…中堅ゲームメーカー社員
B…大手ゲームメーカー社員
C…受託開発会社ディレクター
A 年明けから、サイゲームス(以下、サイゲ)の『グランブルーファンタジー』ガチャ問題が炎上を続けてるね。
B ヒットタイトルを複数抱えるサイゲは、業界のリーダー的存在ですよね。どこのメーカーも、動向をうかがっている。騒動以降、ガチャ施策に関してはどの会社もすごく慎重になっていると思います。
C 大々的に課金ガチャを謳うやり方は、減っていくだろうね。「ガチャで稼ぐ時代は、もう終わりかも」という空気も強まってきてる。実際、課金ガチャ要素がほぼない『刀剣乱舞ポケット』(DMM)や『クラッシュ・オブ・クラン』(Supercell)も収益は伸びている。そもそも“廃課金”を推奨しちゃうと、ゲーム自体の寿命が圧倒的に短くなるんだよね。
B 『モンスト』や『パズドラ』がロングセラーになっているのも、基本的には10代の無課金勢が広くユーザーとして支えてくれているから。だからこそ課金兵が無課金勢を蹴散らす快感で、少数の課金勢が気持ちよくおカネを突っ込んでくれるわけですし。