通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!
学校におけるICT環境の整備状況の推移(文部科学省)平成25年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果
――ITデバイスの導入などが世界中の教育界で進む中、日本の教育界もやっと重い腰をあげ、入試や教育のあり方を見直す動きが出てきた。一方で、現在の現場では依然として旧来型の方針を変えず、また一般社会もこの変化をとらえきれていない。今後、教育界はどう変化し、それにより何が変わっていくのか? 現場の実情と共に、聞いてみた。
クロサカ 2020年から大学入試が大きく変わります【1】。「センター試験廃止」については耳にすることが多いですが、実は教育全体が大きく変わる、とてつもない改革だということを最近、知りました。そこで今回は、20年にわたり「教育の情報化」を研究してきた豊福晋平さんをお招きしました。
豊福 今回の改革は「高大接続」といわれていますが、大学入試制度の一新から始まって、そこにつながる高校、中学校、小学校にまで大きな変化が及びます。特に大きな要素はセンター試験の代わりにコンピュータによる出題(CBT方式【2】)が検討されていること。今までは進学校ほどITには冷淡な傾向が強く、入試には不要とされてきたのです。
クロサカ 長野県の高校で「情報」の授業をやっていなかったことがニュースになりましたね。それ以外にも、学校とITについては、ネガティブな話を耳にしますが、親の立場で小学校と関わってみて、本当に遅れていると実感します。
豊福 そもそも学校はITにネガティブですが、海外ですと学校の社会経済的レベルに応じて考えが違ったりします。例えば香港だと、裕福な中学では、授業のノートをPCで取り、グループワークでもディスカッションしながら、PCで検索して調べたり、メモを取ったりしている。中程度の私立中学校は、スマホやPCの持ち込みを自由化して、校内にWi-Fiを整備しているそうです。一方、経済的に貧しい学校は、PCルームはあってもPCやスマホの持ち込みNGで、配布物もすべて紙です。
クロサカ うわ、日本の小中学校の姿は、香港の「下のレベル」ですね……。