通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!
復興計画事業の進捗状況
――東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方の沿岸部には、風光明媚な土地や名所旧跡も多くあり、また海や山の幸も名物であった。そんな観光地としての東北地方は、いまどうなっているのか。あれから5年がたって、被災地に関する報道が減る中で、観光地としての東北はいまどういう状況なのか。大船渡で復興に尽力する佐藤健さんと一緒に、いま被災地に必要なことを考えた。
クロサカ 東日本大震災から5年がたちました。最近では、報道で被災地が取り上げられる機会はずいぶん減っています。もちろん、元通りになったこと、ならなかったこと、いまだに苦しんでいる人など、事情はさまざまです。私自身も国や企業による被災地支援事業にかかわってきた中で、いろいろと考えたことがあります。そこで今回は、震災直後に大船渡市で臨時災害FMラジオ局「おおふなとさいがいエフエム」【1】を立ち上げ、現在も地元で復興に尽力をしている佐藤健さんをお招きしました。
佐藤 クロサカさんとはラジオの立ち上げ当初、被災時の通信状況についてヒアリングに来たときが最初でしたよね。それから5年もお付き合いが続くとは思いませんでした(笑)。
クロサカ ただ、この期間で、もっと何かできたんじゃないかなという思いが拭えません。これからもっとどうしていけばいいのか。まずは、この5年でどうなったのかお聞きできればと。
佐藤 被災直後は、電気も水道も通信もありませんでした。情報も、テレビやラジオを聴くことはできましたが、被災者に必要な情報がなかった。テレビは県域ですが、県なんて括りでは、自分たちが暮らす場所のリアルな情報は、ずっと待っていて、やっとちょっと触れられるくらいなんです。だから、臨時災害FMラジオ局が立ち上がると聞いて、参加したんです。
クロサカ 特に東京のニュースは、震災後すぐに福島第一原発の話が中心になってしまいました。それはそれで大事なんですが、地震や津波の被害はその時も続いていたのだから、もっとほかの情報が提供されるべきでしたね。