活動拠点は日本にある!? 情報機関関係者が水爆実験より恐れる北朝鮮スパイのボス

父が開催できなかった労働党党大会の意義

北朝鮮における党大会とは、朝鮮労働党の「最高指導機関」。党規約では5年に1度開催することになっているが、1980年10月以降開催されていなかった。計画経済をとる北朝鮮においては、党大会で決定された計画を次回大会までに達成しなければならないが、金正日時代には達成できていなかったため、未開催だったといわれている。

『習近平は必ず金正恩を殺す』(講談社)

 2016年は、北朝鮮クライシスから始まった。1月6日正午、北朝鮮は「初めての水爆実験成功」を伝え、次いで翌2月2日には「地球観測衛星を打ち上げる」と国際機関に通告。結局7日に、長距離弾道ミサイル【1】を発射した。過去に3回の核実験を行い、米国本土を射程に収める長距離ミサイルの開発を続ける北朝鮮に対し、国際社会は強い反発を示している。日本政府もまた、「ロケット打ち上げ」に対して破壊措置命令【2】を下すなど、警戒態勢を敷いていた。一連の騒動を受けて、防衛省関係者は「今後、北朝鮮はさらなる挑発行為に出る可能性がある」と眉をしかめる。

「水爆実験については、成功か失敗かの判断は難しいですが、北朝鮮はいまだ、水爆“保有国”にはなっていないと言えると思います。というのも、北朝鮮国営メディアは『水爆実験』と発表しましたが、北朝鮮の政府声明では『新しく開発された試験用水爆』と表現していました。水爆を完成させたのではなく、水爆を開発するための実験に着手した、具体的に言えば、同量の核物質でより大きな威力を得られるブースト型核分裂弾(強化型原爆)の実験を行った可能性が高いと見ています。そこにきて、長距離弾道ミサイルを発射した。つまり、北朝鮮は核兵器の小型化を進めながら、それを運搬するミサイルを開発しているんですよ。

 報道されてきた通り、北朝鮮は今年5月、36年ぶりに党大会を開きます。党大会では経済的な成果と指導者の優秀性・正統性を誇示する必要があるため、核実験や長距離弾道ミサイルを発射することで、金正恩の業績を高めているのです。北朝鮮が前回ミサイル発射と核実験を同時に行ったのは、09年。この時も、哨戒艦『天安艦』爆沈や延坪島砲撃と挑発行為を続けざまに行っていますので、今回もまだまだ警戒が必要です」(同)

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2024.11.22 UP DATE

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