巨大組織分裂に“番記者”は悪戦苦闘
2015年8月、日本最大の暴力団組織山口組に衝撃が走った。六代目司忍組長の出身母体にあたる名古屋弘道会と関西地方の有力団体の不和が表面化し、関西地方の団体が離脱、新組織「神戸山口組」を結成した。これを大手メディアが一斉に報じ、長年ヤクザ取材を続けてきた実話誌は大幅に部数を伸ばしたというが……。
昨今、山口組分裂騒動が多数のメディアで報じられる中、動向を追うマスコミ各社は、悲喜こもごもの年末年始となったようだ。
いい意味でも悪い意味でも、最も影響があったという実話誌系週刊誌記者はこう語る。
「分裂以降、部数は好調なんですが、10月のハロウィンや年末の餅つき大会【1】が中止になるなど、恒例の行事を自粛する傾向が強まっています。数少ない直系組長たちの素顔が撮れるチャンスが減ってしまったのは痛手ですね」
通常、その行動が表に出にくいヤクザの面々だが、これらの行事はマスコミにも公開され、トップをはじめとする大物幹部が撮影できる機会でもあった。