『キャンディ・キャンディ (1) 』(中公文庫)
原作者付きの作品の場合、作画と原作者の間で、著作権利をめぐるトラブルが少なからずあるという。
マンガのストーリーのすべてを原作者が作っているとは限らない……というのは本文で触れた通り。だからこそ、「このマンガは自分のものだ」という争いが、原作者、マンガ家の間で起こることもある。
「その極北といえるのが、原作者・水木杏子先生と作画者・いがらしゆみこ先生が著作権を争った『キャンディ・キャンディ』の事件。話の骨格を作ったのは水木先生だと思いますし、判決もそのような形になりましたが、単行本は絶版のままで、アニメの再放送もできない。本当に不幸なケースです」(奈良崎氏)
すぎた氏によると、「最近は出版社が権利関係をガッチリ押さえるようになったので、トラブルに発展することは少なくなった」とのこと。ただ、方向性をめぐってコンビ解消となるケースは今もある。