2ndアルバム発売でもやっぱり大盤振る舞い! ヒップホップバンド【P.O.P】が、赤字上等で展開するプロモーションが、どうかしている!?

『The Last Train feat.馬場智也』。地元に帰ると絡まれがちな、うざい先輩を歌った一曲。「乗るしかないこのビッグウェーブに」でしられるButchさんも登場。

 本誌2015年9月号「P様の匣」コーナーに登場したヒッポホップ・バンド「P.O.P」。その2ndとなるアルバム『おかあさんにきいてみないとわからない』が、12月2日に発売となった。

 彼ららしい(どうかしてる)アルバムタイトルだけ見ても分かるように、本作も椎名純平(椎名林檎のお兄さん)やBIKKEを始めとした多彩なゲストを招き、遊び散らかした楽曲の数々がかっこいい。まさに、ライブでビールを配るパフォーマンスを見せる彼ららしい、POP&BEER感だ。

 そして今回、2ndアルバム発売にあたり、インディーズながら全曲トレーラーを作ってしまったというから、やっぱりどうかしている。多分、儲けはない。

P.O.P(ピーオーピー)2ndアルバム「おかあさんにきいてみないとわからない」全曲トレーラーMV “謎のオープニングにフィーチャリングされたBIKKE氏との絡みからスタート。

 このトレーラーの撮影は、アルバムに参加したゲストたちの“打ち上げ”と称して、都内某所のスナックを貸しきって敢行された。寿司や焼き鳥など数々の肴と大量のビールやテキーラが並び、大カラオケ大会がとり行われた。

 開始前からすでに出来上がったゲストとのグズグズなからみもありつつ、乾杯から各ゲストとのトークなど、企画満載。セレモニーが終わった後も、次々とゲストが駆けつけ、宴は深夜まで行われた。

 これ以外にも、次々とMVが制作されており、そのどれもが、「マジでインディーズ?」と聞きたくなるほどに手が込んでてレベルが高い。セットまで組まれているものもあるほどだ。セット組むのってすげーお金かかるんですよね。iPodで音楽を聞くだけじゃなく、デスクトップで流せるMVに手をかけるなど、徹底して遊びを真面目にやる姿勢は、きっとマックス松浦も頭がさがるばかりだ。

14年6月に1stアルバム『楽しいことばかりありますように』を発売以降、業界関係者から「こんなおっさんたちがいたのか!」と話題になり、その勢いのままライムスター・宇多丸師匠のラジオ「ウィークエンド・シャッフル」に2MCの上鈴木兄弟が出演。今年に入ってからはSUMMER SONIC 2015への出演、『シャキーン!』(NHK)でラップ監修など、さまざまな場所でテロ的な活動を見せてきたP.O.P。

 そのふざけた見え方から、“HIPHOPガチ勢”からは嫌厭されがちかもしれないが、彼らの“肩の力を抜いて楽しませる”姿勢は、まさにサブカルHIPHOP。もちろん、楽曲はサウンドクリエイターさいとうりょうじのセンスが光る珠玉のトラックたちだ。こーゆう感じが懐かしいおっさんたちもいつつ、更にMVや楽曲、バンドという形態などで今感もある……なんて御託は置いといても、とにかく聞いて楽しい、聴いて楽しい見て楽しいP.O.Pを、まずはMVで感じるべし。1月10日には、代官山UNITにてワンマンLIVEも!

『おかあさんにきいてみないとわからない』

P.O.P(ピーオーピー)
双子MCの上鈴木兄弟とギタリストで作曲家のさいとうりょうじを中心としたHIP HOPバンド。上鈴木兄弟は映画『SRサイタマノラッパー』シリーズ全編においてラップ監修・指導を担当。また、2012年に『ラップの教科書 DVDで学ぶ超実践的ラップ講座』(リットーミュージック)を出版し、企業CMなどのラップ監修を多数務め、幅広い年代にラップを届けている。年末に 2ndアルバムをリリース予定。まずは『双子ビール』で検索!

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