エイベックス1人勝ち!? JASRAC離脱劇で懊悩するレコード会社

風穴を開けたイーライセンス

2000年に設立された音楽著作権管理事業者。01年、それまで市場を独占していたJASRACの著作権管理事業に参入し、〈第二のJASRAC〉と呼ばれる。今年10月、第三のJASRACといわれるジャパン・ライツ・クリアランスと共にAMPに買収され、レコード会社が著作権管理事業に着手したことが大きく報道された。

JASRACのホームページでは、ご丁寧に「使用料計算シミュレーション」が可能となっているので、イーライセンスとの比較も可。

 10月16日、エイベックスが業界最大手の音楽著作権管理団体・JASRACから一部離脱し、その管理下から約10万曲の自社楽曲を引き上げるというニュースが報じられ、これまでJASRACが独占していた著作権ビジネスに大きな風穴を開けた。

 エイベックスは、この報道が出る約1カ月前、JASRACに次ぐ規模を誇る音楽著作権管理団体であるイーライセンスとジャパン・ライツ・クリアランスの両社の事業を統合・子会社化したことが明らかになっていた。離脱の報道が飛び交うと同時に、エイベックス・ミュージック・パブリッシング(AMP)とイーライセンスの社長を兼任する阿南雅浩氏が『日経ビジネスオンライン』のインタビューに応じ、「音楽著作権管理業界2番手と3番手を吸収し、業界再編を狙う」という強気な見出しが躍った。これについてエイベックスの関係者は、次のように語る。

「『日経ビジネスオンライン』の記事に対して『あくまでJASRACとイーライセンスの共存共栄を強調して取材に応対したのに、JASRAC離脱は言いすぎだ』と阿南さんがご立腹している、というメールがエイベックス全社に回ったようです。ただ、エイベックスは以前から著作権ビジネスに対して『一矢報いたい』と言っていたので、まさに有言実行でしょう」

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