「ボーナスがちょろっと上がったくらいです(泣)」五輪特需でも賞与据え置き! ゼネコン社員【哀】座談会

――バブルが吹き荒れる建築業界だが、その施工を請け負うのはいうまでもなくゼネコン。中にいる一般社員はこのバブルをどう見ているのか。エリート社員たちの悲喜こもごもを聞いた。

2012年に竣工した東京スカイツリー。日本一の高さを誇る電波塔は、設計的にもゼネコン関係者の注目の的のようだ。

[参加者]
A… 大手ゼネコン勤務
B… 大手ゼネコン勤務
C… 準大手ゼネコン勤務

──2020年の東京五輪に向けて、巷ではゼネコン業界がプチバブルにあると報じられています。今回は、現場で働かれている若手社員の皆さんにお集まりいただき、実感などを伺えればと思います。

A 確かに東京五輪決定の2013年前後から、ゼネコンの景気は右肩上がり。おそらく、スーパーゼネコンと呼ばれる日本の大手5社(鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店、大林組)は仕事に困っていないでしょう。

B これまでは、ゼネコン側は住宅や商業施設を企画・開発し完成後も管理主体となるデベロッパーなどに“仕事をください”とお願いする立場でした。マンションの建設など黒字になる案件につながるからという理由で、実質的には工期などの関係で赤字の大型案件を渋々請けたりしていました。最近は需要が安定しているので、案件を選んでやっている。

C 企業ごとに事情は異なると思いますが、我々のような準大手ゼネコンも、おおむね順調です。最近は公共事業も増えていますし、高速道路などの補強、診断工事も増加傾向にある。東京五輪開催に加えて、そちらの追い風もあるので、実感としても仕事が取れるなという印象です。ゼネコンには建設、設計、技術開発、土木などの部門がありますが、そのすべてを抱えてる企業ばかりではない。例えば、竹中工務店には土木分野はなく(土木は竹中土木という別会社が担当)、建築に特化している。また、大成建設なら技術開発のような得意分野があります。その中で、これから先、土木部門を持っているゼネコンはリニアモーターカー系とか海外インフラ系の仕事も増えるんじゃないでしょうか。

A 再開発がめまぐるしい丸の内の周辺を見ただけでも、タワークレーンが何台も見つかりますね。まだどこが取るかわからないけれど、八重洲のほうでも、国家戦略特区の指定を受けて、一丁目東地区と、二丁目北地区で大規模な再開発がある。250メートル級の超高層ビルが2棟も建設される予定ですし、しばらくよい状況は続くと思います。

──ということは、みなさんのお給料も右肩上がりなんでしょうか?

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