一大会で7・5億円、ジャニーズも打ち上げる! 花火大会が儲かるカラクリ

――今年もまた、日本の夏の風物詩・花火大会が各地で開催され、大盛況のうちに幕を下ろしている。そんな中、近年では、花火大会の「中止」「縮小」といったニュースも目立つようになったが、果たして、その数は減っているのだろうか?となれば、花火業界にも、そのあおりで不況の波はやってきているのか――。本特集では、そんな花火大会にまつわる経済学を学んでいきたい。

毎年、その盛大さで魅了してくれる「長岡まつり大花火大会」。写真は「フェニックス」と呼ばれる大きな打ち上げ花火だ。

 花火大会シーズン直前の今年6月、財政破綻寸前の千葉県富津市で、花火大会の休止が発表された。結果的に、それを受けた市民の有志らによって規模は縮小されながらも再開されたが、50年以上行われてきた花火大会を、自治体は中止させざるを得なかったのだ。

 富津市に限らず、花火大会が経済的な理由で中止に追い込まれた例は少なくない。2009年には、リーマンショックのあおりを受けて、千葉県最大規模の「手賀沼花火大会」(柏市・我孫子市/1万3000発)や、日本最大規模の「ふくろい遠州の花火」(静岡県袋井市/3万発)(共に現在は再開)をはじめ、全国各地で中止が相次いだ。

 そもそも、その歴史をたどれば、江戸時代に慰霊のため(こちらのコラム参照)に始まったといわれる日本の花火大会だが、現在では大きく、秋田県大曲や茨城県土浦市の全国花火競技会をはじめとした町おこし型、新聞社やテレビ局が主催する読者・視聴者サービス(広告媒体)型、外部には一切広報せずに住民だけに楽しんでもらう住民サービス型に分類されている。

 しかし、いずれも夏の短い間に集中するため、過去には集客を争って、玉数を過剰に公表するという問題も起こった。

「情報誌などが、打ち上げ玉数で掲載枠に大小の差をつけ始めるようになってから、一部の大会では実際に打ち上げられる玉数ではなく、玉の中にある『星』を玉数としてカウントするところが出てきました。1発しか上がってないのに、100発とカウントするようなものです。例えば関西最大規模のPL教団の花火大会は、08年まで12万発と公表していましたが、09年以降はいきなり2万発に修正。今年に至っては、その数を非公開としています。

 不況で花火大会が一時的に減少したことを機に、打ち上げ玉数を正しく表記しようという流れが起きたため、『花火大会が縮小している』なんて言われるんですが……その生産額(こちらの図参照)を見てもわかる通り、実際には、数に大きな変化はないんですよ」(関西花火大会関係者)

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