【名プロデューサー・丸山正雄】 アニメ界の生き字引が一刀両断!「最期まで仲間と、作品を届けたい」

――常にアニメ業界で戦い続けてきた名プロデューサー丸山正雄。チャレンジを続ける同氏は、2011年に齢70にして新しいアニメ制作会社MAPPAを設立し、クラウドファンディングで資金調達を達成している。日本のアニメ黎明期から今に至るまでのアニメ業界の第一線を渡り歩いてきた同氏に、アニメ制作者の仕事について聞いた。

 アニメプロデューサーの丸山正雄氏は、手塚治虫による旧虫プロダクションをスタートに、その後、1972年に出崎統、川尻善昭らとマッド・ハウス(現マッドハウス)を設立、数々の映画・テレビのアニメ作品を作りだしてきた。『TRIGUN』『パプリカ』『サマーウォーズ』など、かかわった作品も数えきれない。11年6月に70歳にしてアニメ制作会社MAPPAを設立、代表取締役に就任するなど意気軒昂な丸山氏がこれからのアニメ業界について自身の思いを語った。

厳しいアニメ制作は、バカをやりながら、がいい

スタジオ設立4年で数々の良作を生み出してきたMAPPA。丸山氏の冒険心が影響した作品の数々は、いますぐチェックして欲しい。

──ここ最近、アニメ業界がビジネス上で大きな転換期を迎えているように思えます。

丸山正雄(以下、丸山) アニメ業界といっても、ケースバイケースで違うんですよね。例えばジブリの場合は、宮﨑(駿)さんという宝箱があったからできることであって、業界全部がそれをできるというわけではない。最近のアニメ業界を報じているものを見ると、一面的に見すぎていることが多いように感じるね。

 収入が少なくて苦労している若手、それでも一生懸命作品を作り出している人もいる。

 僕から言わせれば、いいものも、悪いものも、それらを全部まとめたのがアニメ業界。たしかに、産業として定着していなかった昔と比べて、注目されているために報道されやすくなっているのかもしれない。産業化したアニメ業界にいる若者のなかには、名声にあこがれてこの業界に入ってきて、「働いても食えねえ」って言っている人もいる。でも、「食えねえ」から業界が悪いみたいな話には、違和感を覚えるね。僕はその片棒をかついで、「若者たちがかわいそう」だとはあまり言いたくない。だって、僕らもみんな、「食えねえ」ところから出発しているんだよ。

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