佳子さまより美智子さまが格上!? 女性皇族のファッション・センス

――過去にも女性週刊誌やワイドショーなどが女性皇族のファッションを取り上げることはあったが、読者や視聴者の下世話な関心をあおる報道が大半だった。では実のところ、女性皇族たちはいかなる“センス”を秘め、時代時代の“モード”とどう接してきたのか? 各人のファッションを評してみたい。

『皇室 Our Imperial Family 第66号 平成27年春』(扶桑社ムック)

 近年、「美しすぎる内親王」こと佳子さまのファッションが何かと話題だ。高校時代は制服のスカートを膝上10センチに改造し、大学進学後はフレアのスカートやデニムのパンツといった一般の女子大生と大差のない装いで通学。最近は、テープを貼って二重まぶたにするアイプチやカラーコンタクトまでしていると報じられ、今年入学されたICU(国際基督教大学)のダンスサークルの公演を生脚を露出したホットパンツ姿でご覧になったという。日本の皇室ファッションといえば、エレガントかつ伝統的で浮世離れしたイメージもあるわけだが、佳子さまはその慣習を打ち破り、大変革をもたらしているのか──。本稿では、美智子さまを起点とした女性皇族ファッションの潮流を整理しながら、あくまでファッションの観点から各人の“センス”を評してみたい。

 そもそも、公務の衣装はお抱えデザイナーにフルオーダーで仕立ててもらうのが通例であり、私服は高島屋や三越などの外商を通じて、あるいはそうした百貨店を閉店後に貸し切って店内で購入するという。ファッション・エディター/ライターの首藤和香子氏は、こう話す。

「皇室お抱えのデザイナーの方々は、ファッション業界でも一緒に仕事できる人間は極めて限られているので、謎に包まれています。そういう方々が手がける女性皇族の洋服は生地から織ってつくられるものが多く、一般人である私たちが展示会やショップで触れる洋服とは基本からして違う。また、パールのネックレスなどは、スナップ写真でも真珠の照りの違いがわかるほど、一般ではなかなか見かけないものをお召しになっています」

 美智子さまの場合、芦田淳氏や故・植田いつ子氏などが御用達デザイナーとして知られるが、1959年のご成婚前から美智子さまのファッション・スタイルは脚光を浴び、いわゆるミッチー・ブームが発生。ファッション・エディター/ライターの小柳美佳氏は、こう語る。

「美智子さまは、欧米の女優や王室などをロールモデルにしてこられたのではないでしょうか。ご成婚時、創立12年目の若いブランドだったクリスチャン・ディオールのローブ・デコルテ【註:襟ぐりが深く大きくカットされた袖なしドレス】をお召しになり、当時の日本では誰よりも革新的で先進的なファッションを取り入れておられたと思います。その嗅覚の鋭さには、ただただ驚かされる。また、若かりし頃はターバン風ヘッドピースを、近年は小さい帽子をお召しになるなど、頭まわりにもとても気を使われていて、ファッション業界の人間も参考にするほど。海外の王室ファッションで帽子はキーアイテムであり、特に英国王室ではスティーブン・ジョーンズやフィリップ・トレイシーといったモード性の高い帽子デザイナーのアイテムが大変好まれているのですが、日本の帽子デザイナーの第一人者ともいえる平田暁夫氏のアイテムを自身の着こなしに取り入れてこられた美智子さまもチャレンジングな方といえます」

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