――邦ロックを聴く人に「いま面白い若手バンドは?」と聞くと、必ずその名が挙がる“うみのて”。今日び珍しいくらいに茫洋としたバンドは、なぜこれほど評価を得ているのか──?
(写真/小原太平)
笹口騒音ハーモニカ(Vo・Gt)を中心に2010年に結成された5人組ロックバンド、うみのて。秋葉原大量殺傷事件をモチーフにした楽曲「もはや平和ではない」に代表されるような社会性を帯びた歌詞(「『笑っていいとも!』やってる限り平和だと思ってた けど もはや平和ではない」)や、笹口が感情を炸裂させるライブパフォーマンスが注目され、12年にはサマーソニック等の夏フェスにも出演するも、14年5月に突然ライブ活動の休止を宣言し波紋を呼んだ。邦ロックシーンにおいて存在感を増す渦中で、何があったのか。
──約1年のライブ活動休止から復帰されますね。この間は何を?
笹口 インドへボーカル修行に行ってました。
高野(Gt) ドラムは、アフリカに本場のリズムを学びに……。
キクイ(Dr) 本場のサンバのリズムを……ってウソじゃん!
高野 正直な話、過激なことばかり取り沙汰されて、バンドの紹介文も全部「過激、過激、調味料マシマシ!」みたいになっちゃって。