合併の功罪が噴出?再編と内紛繰り返す角川ドワンゴの行く末

分裂と再編こそ角川のお家芸!?

そもそも角川書店は、その昔から内部闘争と大再編を繰り返してきた。90年前後の春樹・歴彦兄弟間の抗争に始まり、映画会社の買収、映画部門の切り離し、雑誌事業部の分割、持ち株会社化……と、めまぐるしく新陳代謝を繰り返してきた。今回の一件も、そういう意味で角川らしいといえばらしい出来事なのかも知れない。

“ブランドカンパニー”は解体され、単にブランド名としてのみ残ることとなった。

 14年10月に経営統合を果たしたKADOKAWA・DWANGOが、再編と内紛に揺れているという情報が入ってきた。

 出版業界の老舗である角川と、ニコニコ動画の運営で知られるドワンゴが経営統合計画を発表したのは14年5月。そこから5カ月で統合に至り、全角川グループを統べる、資本金200億円の持ち株会社KADOKAWA・DWANGOが誕生した。ニコニコ動画の持つプラットフォームとしての優位性と、老舗出版社である角川グループのコンテンツ力を融合させることで、ユーザーの増加や収益の増加、あるいは新しいメディアの構築といった相乗効果を狙ってのこととされた。

 だが年明けの1月、この新体制に早くも暗雲が立ち込める。傘下の出版大手KADOKAWAが、希望退職者300人を募集すると発表したのだ。正社員1980人(14年9月末時点)のKADOKAWAにおいて、約15%に当たる人員を削減することでスリム化を図ろうとするものだった。

今すぐ会員登録はこちらから

人気記事ランキング

2024.11.24 UP DATE

無料記事

もっと読む