誰も語らないから松本亀吉が本気で寸評する! 森高千里のセルフカバー動画50本レビュー

――森高千里が、2012年よりYouTube上にコツコツとセルフカバー曲をアップし続けているのを知っているだろうか? 最終的には200曲が上げられるというが、著書『歌姫2001』(太田出版)などで知られる松本亀吉が、4月9日現在までに公開されている165曲の中からいろんな意味で聴く・見るべき50曲を厳選し、レビューする!

■森高千里の200曲セルフカバー企画
2012年7月23日に「SWEET CANDY」のセルフカバー動画をYouTubeにアップして始まったこの企画。現在までに上げられた165曲は、すべて公式チャンネルで見られる。最新曲は「林檎酒のルール (2015 Ver.)」。これまでに、CD/DVD『デビュー25周年企画 森高千里 セルフカバー シリーズ “LOVE” Vol.1~8』(アップフロント)も発売された。

【1】「SWEET CANDY」
12年7月23日(原曲97年)
胸を射抜かれるような1曲目。「南風が夏の街を通り抜けてく/今年の夏もあぁ何もしなかったわ」。今からあと49曲の寸評を書くが、この曲の最初の一小節のリリシズムを超える美しい情景に出会えるだろうか。


【2】「戻れない夏」
12年7月28日(原曲88年)
白い雲が浮かぶ青空の静止画を背景に、バストアップの森高(当時43歳)が時々カメラ目線で淡々と歌ってくれる至福。ボサノバ風アレンジにも直球のアイドル唱法で挑むのが森高。原田知世とは器が違う。


【3】「晴れ」
12年7月30日(原曲90年)
野外一発撮りと思われる、まるで路上ゲリラ・ライブのような動画。遠くの救急車のサイレンまで拾っている。アルバム『古今東西』より。素っ裸なアレンジと潔い歌声からこのプロジェクトへの本気度が伝わる。


【4】「カリプソの娘」
12年8月3日(原曲98年)
98年のアルバム『今年の夏はモア・ベター』より。パーカッションとスチールパンがクール。背景に見えるのは国際医療福祉大学三田病院。酷暑の野外撮影で、体調を心配するファンのコメントが微笑ましい。


【5】「Hey! 犬」
12年8月4日(原曲98年)
これも細野晴臣と組んだ『今年の夏はモア・ベター』より。野外録音。海辺に置かれたスマホに映し出された森高が歌うという演出の映像で、表情が見えにくいがゆえに彼女の歌声の根源的な魅力に肉薄する。


【6】「七夕の夜、君に逢いたい」
12年8月7日(原曲99年)
99年のchappieのシングル。chappieは匿名ユニットだったが、この動画で森高だと認めた形に。と思ったら「この曲はセルフカバーではなくchappieのカバーです」と訂正された。義理堅く律義な森高運営。


【7】「八月の恋」
12年8月8日(原曲91年)
「勉強の歌/この街」と「ファイト!!」に挟まれた91年の13枚目のシングル。ねっとりと這い上がってくるような筒美京平先生のメロディを堪能。「この恋を流してしまったの」と歌い終えてはにかむ森高カワイイ。



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