写真共有アプリから一大SNSへ……いいね!をむさぼる女子急増中 写真SNSインスタグラムの正体

――写真加工アプリとして、ほかのSNSで共有されるサービスインスタグラムが、ここにきて、さらなる広がりを見せている。世界中のセレブや、日本の芸能関係者に爆発的に広がり、そのフォロワーにまで波及しているのだ。SNS最後の楽園と呼ばれるその構造や、今後の展開を探った。

四角形の、その外側に雰囲気を漂わせるのが最重要!
こう写せばいいね!がもらえる?インスタ解説

ただ闇雲に写真をアップしても、誰かに評価されなくては意味がないのが、SNS。ここでは、どうすれば一流インスタグラマーになれるか解説!

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スマホ向けのSNSであるインスタグラム。PCでも閲覧できるが、スマートフォンで操作するよりもさらに制限が加わる。

 往年のポラロイド写真をリスペクトしたという正方形の画像を、多様なフィルターで加工した美しい画像を投稿する画像SNSインスタグラム。2012年、世界最大のSNSフェイスブックに10億ドルで買収されたことで一瞬話題になったものの、専用アプリが必要な閉鎖性や、画像のクオリティの高さなどで、10年のローンチ以来、美意識高めな一部ユーザーの間で静かに浸透していた。海外セレブや有名ファッショニスタが、パーティなどで気軽にセルフィー(自撮り)した画像が一種の定型になっており、素人でも顔を出せば出すほどフォロワーが増えるのが特徴。「画像がステキ」「見てるだけでいい」がフォローの決め手になり、美意識というフィルターのみを通してつながる特殊なSNSだ。

 日本でも、昨年のダルビッシュの交際宣言や、安藤美姫が家族写真をアップしたことで遅まきながら一般的に認知されつつあり、今年に入ってからは仲里依紗のようにブログを閉鎖しインスタグラムに移行する芸能人も出ている。テレビや映画ではまだ主演作もない水原希子は、思わせぶりな美しい自撮りで日本最多の210万人ものフォロワーを持ち、松田翔太はミュージシャンである妹YUKIをサラリと紹介。吉本芸人の小籔一豊は愛用しながらも、ハッシュタグ(ツイッターなどの投稿欄に、単語の冒頭に#を入れて投稿すると、その記号つきの発言が検索画面などで一覧できるようになり、同じイベントの参加者や、同じ経験、同じ興味を持つ人の意見が閲覧しやすくなるタグのこと)を乱用するなどして、ユーザーの過剰な自意識を小馬鹿にするという、メタな芸を持ちネタにしているほどだ。

「ネットニュースでは芸能人の面白いインスタ投稿をいち早くキャッチして記事にしているし、それがツイッターなどで拡散されている。昨年、AKB48の渡辺麻友が、隠れてやっていた非公開設定にしたアカウント(裏アカ)が暴かれて、身内メンバーを整形と言い放ったり、羽生結弦への異常な愛情を投稿していたこともニュースになりましたが、それほどの“事件”じゃなくても、例えば“ダレノガレ明美が、過激な水着姿をインスタで披露”“ローラがインスタですっぴん公開”なんて話がネタになるくらいです」(ITライター)

 このように、高感度人間を中心にじわじわ広がっているインスタを「SNS最後の楽園」と認識しているユーザーは多いようだ。URLのリンクが表示されないため、2ちゃんねるなどに転載されにくく、(不祥事を起こしたと認知されたアカウントを一斉攻撃する)ネット炎上がさほど起こりにくいこともある。しかも、多少盛っても(誇張して画像を加工しても)画像さえ美しければ許され、承認欲求が簡単に満たされるのだ。制限が多いゆえに、SNSにありがちな煽りやケンカに発展しそうな議論など、いやなやりとりを目にすることも少なく、のびのびと楽しめるのがその理由となっている。ブログのように、アフィリエイトで稼げなくても、たくさんの人間にフォローされて、投稿した写真に多数のいいね!をしてもらえればよい、というのがインスタでの“稼ぎ方”。ここでの鉄板モチーフは、景色/ファッション/ペット/食べ物/セルフィーの5種類。ただし、「その場の空気」も写り込ませなくてはいけないのが難しい。自身もヘビーユーザーで、ITや社会評論に詳しい某ニュースサイトの編集者は、インスタの画像を見ただけで、そのユーザーが実社会でモテるか否かが判断できるという。

「食べ物の場合、いくら美味しそうに撮っていても、そのものに寄って写している人はダメですね。ちょっと引いて、食器やランチョンマット、テーブルの材質、射し込む光の感じまで意識してトリミングしている人は男女問わずモテると思います。雰囲気を作るのがうまいですよね。細めのフォントで加工するのもアリだと思います。そうした編集テクニックがある人は、モテテクで人を釣れそう(笑)」

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