――極楽とんぼ・山本圭壱の、8年半ぶりのライブが話題を呼んだ。彼のほかにも不祥事を起こした芸能人は枚挙にいとまがない。復帰の可能不可能、つまり"赦し"の線引きはどこにあるのか?
(絵/HELLSLAUGTHER)
■氷川きよし
[赦され指数]100%
【容疑・罪状】暴行容疑で書類送検
【結果】示談成立
14年8月、元マネージャーに対する暴行容疑で書類送検。その後示談が成立し、NHK紅白歌合戦はもちろん、CMにも継続出演している。
■稲垣吾郎
[赦され指数]95%
【容疑・罪状】公務執行妨害、道路交通法違反(駐車禁止)、傷害罪
【結果】公務執行妨害・傷害罪は起訴猶予(不起訴)、道路交通法違反は罰金
01年8月、駐車違反取り締まりに遭った際に、急発進させた車が警官に接触し、現行犯逮捕。5カ月の活動自粛を経て、『SMAP×SMAP』で復帰した。
■板尾創路
[赦され指数]90%
【容疑・罪状】青少年健全育成条例違反
【結果】罰金30万円
94年、14歳の少女にわいせつな行為をしたとして逮捕。行為時に少女が年齢を偽っていたこともあり解雇はされず、約7カ月の謹慎後、無事復帰。
■酒井法子
[赦され指数]40%
【容疑・罪状】覚せい剤取締法違反(所持・使用)
【結果】懲役1年6カ月、執行猶予3年
09年8月、上記罪状で逮捕。起訴を受けサンミュージックとビクターエンタテインメントは契約解除。12年11月に執行猶予は明けたが、テレビ出演は0に近い。
■山本圭壱
[赦され指数]15%
【容疑・罪状】強姦
【結果】示談成立、不起訴処分
06年7月、萩本欽一の野球チーム・茨城ゴールデンゴールズの遠征先で17歳の少女に飲酒させ、肉体関係を持つ。後日婦女暴行で被害届が出され、任意聴取を受ける。示談成立で不起訴処分となるが、吉本は解雇。
■ASKA
[赦され指数]2%
【容疑・罪状】覚せい剤取締法違反、麻薬取締法違反により計3回逮捕
【結果】懲役3年、執行猶予4年
14年5月より、立て続けに上記罪状で3度逮捕、起訴され、保釈金700万円を納めて保釈。現在は民間の薬物依存更生施設「ダルク」でリハビリ治療を受けている。
■押尾 学
[赦され指数]0%
【容疑・罪状】麻薬取締法違反、保護責任者遺棄罪
【結果】懲役2年6カ月(保護責任者遺棄)
09年8月、麻薬取締法違反で逮捕。共にいたホステスが薬物服用後に死亡しており、保護責任者遺棄致死罪で逮捕・起訴。結局、保護責任者遺棄罪で12年2月に実刑判決が確定、同年3月、東京拘置所に収監された。
2006年、北海道・函館で未成年淫行騒動を起こして所属事務所の吉本興業(現・よしもとクリエイティブ・エージェンシー)を解雇され、芸能界を引退したと思われていた極楽とんぼの山本圭壱が、約8年半ぶりに投げ銭興行の単独ライブ「山本圭壱お笑いLIVE」(1月19日@下北沢駅前劇場)で芸人復帰を果たした。チケットの申し込みが殺到し、その競争率はなんと160倍。観客からの評判も上々だったようだが、復帰を望んでいないという声もネット上では多々囁かれており、一般視聴者の反応は冷ややかな様子。それに対して芸人仲間たちからは温かく迎えられ、ロンドンブーツ1号2号の田村淳のように、積極的に祝福するムードも漂っている。外の者と中の者で温度差がありそうだが、そもそもなぜここに至るまでに8年もかかったのか?
94年に同じような淫行事件を起こした吉本の先輩・板尾創路は事務所に契約解除されることもなく、約7カ月の謹慎期間を経て復帰している。板尾はむしろ復帰後のほうがその活躍が目立っているほどなのに、あまりにも差がありすぎる。それでは一度”ヤラかした”芸能人が復帰できるか否かのボーダーラインは、どこにあるのだろう?ここでは芸能界復帰=地上波のテレビへの復帰と捉えると、ボーダーラインは「時代性に大きく左右されているのでは?」と、芸能事務所関係者は言う。
「昔よりも世間の目が厳しくなり、事務所やテレビ局側もコンプライアンスを徹底するようになったぶん、スキャンダルに過敏になりつつあります。また、不祥事を犯したタレントに、復帰させるリスクを負うまでの価値があるか、というのも当然かかわってくる。正直、昔よりも替えが利くタレントが多くなっていますから。MCレベルやドル箱タレントとなると、また話は変わってきますけど」(芸能事務所関係者)