『ビッグ・アイズ』
1950年代にウォルター・キーンは大きな目を持つ子どもの絵を大量に売る会社を設立し、大成功をおさめた。アーティストを自称し、世間の注目を集めるキーンだったが、実は絵を描いているのは、キーンではなく、妻のマーガレットだった。実在の画家マーガレット&ウォルター・キーン夫妻を題材にした、史実に基づくヒューマンドラマ。
監督:ティム・バートン/出演:エイミー・アダムス ほか/1月23日より全国ロードショー。
顔の面積の半分くらいを埋める巨大な目を持つ、まるで日本の少女マンガやアニメを先取りしたような絵が、今から55年前のアメリカで大人気になった。
ただ、アニメと違って、どの少女も今にも泣き出しそうな表情で、寂しそうにぽつんと路上に立っているのだが。
この絵にまつわる、「アメリカ版佐村河内事件」の映画化が、ティム・バートン監督の新作『ビッグ・アイズ』だ。
1960年代初め、ウォルター・キーンが描く大きな目の少女の絵が人気になった。ただ、作者のウォルターは饒舌で目立ちたがり屋で、とても孤独な少女の作者には見えなかった。
「あんな中年男が幼い少女の絵を描くなんておかしい。変態なのでは?」
そんな疑惑が高まると、ウォルターはテレビで感動的な弁明を行った。