このマンガが“本当に”すごい! 「技術」がわかる、最新マンガ傑作選

――本文にもご登場いただいたマンガ研究家4氏が推薦する、「マンガ技術」という観点から見ていま読むべきマンガ6作品!

■空間把握はむしろ秀逸!
『進撃の巨人』
(諫山創作、講談社刊)
09年より「別冊少年マガジン」で連載中の大人気マンガ。13年にはテレビアニメ化され好評を博し、小説、ゲーム、実写映画(今年8月公開予定)など、様々なメディアミックスがなされている。


「人体のデッサンは独特かもしれないけど、巨人のスケール感や立体的に縦横に飛び回るキャラクターの描写など、空間把握はむしろしっかりしている。にもかかわらず、何か醸し出れるこの"洗練されてない感"は、アウトサイダーアートに近いかも。描線の荒々しさに、劇画回帰的なところも感じられます」(伊藤剛氏)

「微妙にパースが取れてない感じが、この作品の気味悪さをうまく助長している。まるで世界そのものが歪んでいるように見えるんです」(中野晴行氏)


■"ひとりで描く"ことの美学
『ヒストリエ』
(岩明均作、講談社刊)
「月刊アフタヌーン」で連載中の歴史大河ロマン。『寄生獣』などで知られる作者がデビュー以前から構想を温めていたという大作。なお岩明均は、人気作家でありながらアシスタントを使わないことでも知られている。


「人物はもちろん、背景まですべてひとりで描くことによって生み出される、トータルの世界観が素晴らしいです。緻密化とは逆の方向性、いらない情報を削っていく表現で成功している、ひとりで描くマンガの理想のような作品です。それでも作画の単純作業は避けられませんから、刊行速度は落ちるのですが。12年かけて、やっと9巻に届くか……?というようなペースですからね(笑)」(泉信行氏)



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