「優子ちゃんは守る!」自壊する安倍政権閣僚W辞任の舞台裏

やおら動きを見せ始めた、14年末の政局

当分安泰かと思われた第2次安倍政権だが、9月の内閣改造が裏目に出て女性2閣僚のダブル辞任騒動にまで発展、やおら雲行きが危うくなってきた。安倍首相は一連の問題を一気に解決するため、解散総選挙に打って出るのではないかという見立てさえ飛び出してきた。どうするどうなる、14年末のニッポン政局!
『アベノミクス批判――四本の矢を折る 』(岩波書店)

【座談会参加者】
A:全国紙経済部デスク 
B:全国紙政治部中堅記者
C:テレビ局政治部記者
D:全国紙政治部デスク

A 小渕優子・前経済産業大臣が杜撰な事務所経理問題で、松島みどり・前法務大臣が”うちわ問題”の深刻化で、10月20日にダブル辞任に追い込まれた。これをきっかけに、これまで順調だった安倍政権が一気に危険水域に入ったという感じだな。

B 9月の内閣改造で、茂木敏充・元経産大臣や林芳正・前農林水産大臣など、地味だが手堅い閣僚を辞任させたことが完全に裏目に出た格好で、その後も小渕氏の後任の宮沢洋一・経産大臣の”SMバー問題”や、江渡聡徳・防衛大臣の政治資金疑惑、林氏の後任の西川公也・農水大臣の「安愚楽牧場」の献金問題など、新任閣僚をめぐる疑惑【1】は次から次へと噴出しています。

C もともと松島氏の問題は司法当局による立件は難しいとみられ、辞任は不要との見方が大勢でした。けれどその後に小渕氏の問題が炎上したため、官邸サイドが「ダブル辞任で事態を沈静化させよう」と松島氏に迫った【2】みたい。

『W辞任』
9月3日に発足した第2次安倍改造内閣で「女性大量登用」の旗印のもと入閣した5閣僚のうちの2人が同時辞任したことを指す。実質的な更迭だったとされる。

B でも、松島氏の辞任は自業自得、身から出たさびですよね。東大経済学部卒で朝日新聞政治部出身というエリートコースを歩んできてる彼女ですが、性格は傲慢【3】そのもの。9月まで務めた経産副大臣時代も、気にくわない官僚を怒鳴りつけるなどしていたようです。ある経産官僚が、「法務省も大変な人をトップに戴いたものだ」と苦笑していました。

D 朝日新聞政治部記者時代は、誤報問題で先日ついに辞任を表明した木村伊量社長の部下で、いろいろとワガママを言って木村氏を困らせていたと先輩記者から聞いたことがある。木村社長も、昔から難題を抱え込むタイプだったのかもな(笑)。

A それにしても小渕・前経産大臣は、父親の小渕恵三・元首相から優秀な秘書軍団を引き継いだというのに、どうしてあんなずさんな問題を引き起こしてしまったんだ?

B どうやら、小渕元首相の死後、優秀なスタッフが相次いで事務所を離れてしまったみたいですよ。例えば、小渕元首相の秘書として長きにわたって仕えていたI秘書は2009年、当時与党だった民主党の安住淳・現国対委員長代理の秘書に転じています。小渕さんは事務所のことには我関せずで、そういった態度に見切りをつけた優秀な古参秘書が離れるなどして、事務所内はボロボロの状態だったとか。

D 内閣改造の前から一部マスコミ関係者の間では、「小渕さんは”問題”が多いので危うい。抜擢するとしても、党役員で処遇するほうがよいのではないか」なんて声もあった。事務所経理問題が浮上した後も、小渕さんの夫でTBSプロデューサーの瀬戸口克陽氏のスキャンダルを狙ってる週刊誌がある、なんて噂も飛び交ってたしな。

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