――おしゃれなアーティストがブランドを立ち上げることが必然なのか、それとも純粋にお金儲けのためなのか?国内外で音楽性&ファッション性が際立つアーティストが手がけるアパレルブランドを覗き見してみたい。
『MILIYAH 300 STYLES』(講談社)
インタビューでMEGが話したように、音楽活動を続けるかたわら、自身のブランドを立ち上げ、サイドビジネスとしてメイクマネーしているアーティストは、洋邦問わず多い。
ことファッションに敏感で、聴く者が皆、影響を受けやすいヒップホップ・ミュージックにおいては、ファレル・ウィリアムスがプロデュースする「Billionaire Boys Club」【1】の勢いが盛んだ。ビルボードチャートで見事首位を飾ったシングル「Happy」の好結果も相まって、「ファレルが着てるTシャツがイカす!」「ファレルがかぶってる帽子が欲しい!」など、世界中で ハッピー症候群 が急増中。とことんおしゃれ街道まっしぐらである。
ファレルとは旧知の仲であるジェイ・Zが手がける「Rocawear」【2】は設立が1999年と、今でこそ長者番付に名を連ねる彼だが、創設時はまさに”金儲け”のために始めたと思われるブランド。逆にアーティストとして大成するとブランドが経営危機に陥り、一昨年には従業員半数が解雇されるという報道が話題となったが、現在はファレルのブランドと提携を結び、なんとか継続中。
そしてジェイ・Zと同じライブネイションに所属するマドンナは、自身のヒット曲を冠した「Material Girl」【3】を、実娘のローデスと共に創設。ブランドモデルにケリー・オズボーンやリタ・オラなどの人気アーティストを起用したりと、ママパワー炸裂のご様子。
国内に目を向けてみよう。例えば、若い女性層から圧倒的な支持を得る加藤ミリヤのブランド「Kawi Jamele」【4】。一時代を築き上げた"アムラー"よろしく、加藤がデザインを施した衣装を身にまとった女子たちは、"ミリヤー"と呼ばれ、同ブランドのデザインで販売されるツアーグッズは、毎度長蛇の列ができるほどの人気だ。