新内閣"乱打報道"と朝日新聞誤報騒動で新聞業界が共倒れ!?

第2次安倍晋三改造内閣が発足

9月3日、第2次安倍晋三改造内閣が発足した。経産大臣に小渕優子氏、総務大臣に高市早苗氏など女性閣僚の登用でも話題となったが、消費税率の10%化問題、TPP問題、原発再稼働問題などなど目先の課題は山積。今後の安倍首相の手腕が問われるところだが……。
『朝日新聞元ソウル特派員が見た「慰安婦虚報」の真実 』(小学館)

【座談会参加者】
A:全国紙経済部若手記者
B:経済誌中堅記者
C:全国紙政治部デスク
D:テレビ局報道局記者

A 9月3日に敢行された第2次安倍政権で初となる内閣改造も、どうにか片付きましたね。

B 最も揉めたのは、石破茂・地方創生担当大臣の入閣騒動。当初、安倍首相サイドは石破氏を安保担当大臣として入閣させるつもりだったのが、石破氏が内閣改造直前の8月25日に出演したTBSラジオで「首相と100%一緒という人が答弁するのが一番いい」と就任を辞退する意向を表明、大騒ぎになりました。

C 複数の政府・与党幹部が「このタイミングであんな発言をするのは前代未聞。石破は何を考えてるんだ」と怒っていた。石破さんとしては、閣内に入ってしまったら来年9月に予定される自民党総裁選で安倍首相に対抗できないという危機感があったんだろうがね。ただ、この件については、ある石破氏側近の読みの甘さを指摘する声が根強いな。

A 誰ですか、そのKYな側近は?

C 鴨下一郎・元環境大臣だよ。永田町界隈では「いま安保担当大臣を受けたら安倍首相に動きを封じられる」と鴨下さんが石破さんを焚き付けたとされている。ただ、最終的には山本有二・元金融担当大臣ら他の側近が「安倍政権は長期政権化するだろう。いま閣内に入らなくては世間に忘れられる」と翻意を促したというのがもっぱらの評判だ。

D 新聞やテレビでは、新任閣僚・党幹部に関する誤報もいろいろと目立ちましたね。

A 確かに。毎日新聞が8月28日付朝刊で「『石破総務相』構想も」と報じていたほか、読売新聞は8月31日付で「小渕幹事長で調整」とも報じていた。実際、小渕優子・経済産業大臣は最後まで処遇について揉めていたようですが、石破氏についてはある政府・与党幹部が「総務大臣なんてありえない。話題にもなってない」と呆れていましたよ。

C 昔から入閣報道は"乱打戦"になりがちで誤報も珍しくないけど、特に最近は政局に強い記者が減って、誤報がより増えた気がするな。近頃は派閥への密着取材を行う記者が減って、各社とも人事の"読み"が甘くなっている印象がある。

D それに安倍政権は首相の力が絶大すぎて、派閥のドンの意向が通らないことが多い。それにしても、毎度のことながらポストから外された閣僚の悲喜こもごもも目に付きましたね。

B 最後まで失言続きの石原伸晃・前環境大臣は本人も諦めていたけど、茂木敏充・前経産大臣【1】なんか、周囲の評判は「閣外確実」なのに本人は続投に意欲満々。結局案の定……だったけど。

C でも、内閣改造を終えても安倍政権の前途には難題が山積しているぜ。10月26日には福島県知事選、11月16日には沖縄県知事選の投開票がそれぞれ予定されているが、7月の滋賀県知事選に続く敗北が予想されている。地方選の敗北は一見すると影響がないように見えるけど、来年春の統一地方選挙を控えて連立を組む公明党がかなりナーバスになってる。公明党は自らの基盤として地方選挙に命を懸けているから、もし地方での惨敗が続けば、安全保障や原発再稼働などの政策に公明党が反発する場面も増えそうだな。

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