【大谷ノブ彦】大野智のボーカルは、まるでジャスティン・ティンバーレイクのようだ!

(絵/小笠原徹)

大谷ノブ彦
(おおたに・のぶひこ)1972年、大分県生まれ。お笑いコンビ「ダイノジ」のメンバー。著書『ダイノジ大谷ノブ彦の 俺のROCK LIFE!』(シンコーミュージック)が発売中。


 僕がジャニーズのアーティストで、もっとも讃えるシンガーが3人いまして、それが堂本剛さん、渋谷すばるさん、そして大野智さん。「FUNKY」【1】は大野さんのボーカルが実にソウルフルで、フェイク(アドリブ)も素晴らしい。ダフト・パンクが台頭したことでブームを巻き起こしたディスコミュージックを、ジャニーズはどう料理するか? をど真ん中で堂々と表現した曲です。ディスコの要素がわかりやすく、かつ丁寧に現れていて、ジャニーズ音楽制作陣のアンテナの高さが証明された一曲ですね。

 近年、ロックバンドの人気曲は、お客さんの盛り上がりから、フェスで決まることが多いんですが、ダイブやモッシュは危険と見なされて禁止されているんです。となると、アーティストは観客がノリやすい4つ打ちの楽曲を極めていくんです。そういった曲であれば、ダイブなどをせずに、その場で跳ねて踊ることができますから。僕はそういったタテノリの4つ打ちロックンロールで踊ることを"雨乞いダンス"呼んでいるんですが、そこにあてがってきたのが嵐の「Troublemaker」【2】で、かなりスタイリッシュに決めてきました。大野さんのボーカルは、まるでジャスティン・ティンバーレイクのようですよ。

 SMAPの楽曲から選ぶと、作詞がいしわたり淳治さん、作曲がMIYAVIさんで、創意工夫しながら新しい風を吹き込んできたな、と思わされた曲が「Top Of The World」【3】です。SMAPはアルバムで常に最先端のクリエイターを招いて曲を制作していますが、そういった“挑戦”が似合うグループなんですよね。ポップスは「大衆性を狙うこと」だけと間違った解釈をしている人がいますが、本当のポップスは、革新的でありながら普遍性を帯びたものなんですよ。SMAPは常に100万人単位の聴衆に対してポップスと向き合ってきたわけですが、それってえらいプレッシャーなはずで、それを毎度こなしてきているのは、すごいとしか言いようがありません。

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