『おっさん』も激怒!? 文壇の女帝・有川浩に版権移動騒動が勃発

人気小説の原作が欲しいテレビドラマ

池井戸作品は、今年4月から『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ)『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS)の2作がドラマ化され、高視聴率をキープ。さらに今秋も『株価暴落』(文藝春秋)が、WOWOWでドラマ化予定だ。なお、有川の『空飛ぶ広報室』(TBS)や『フリーター、家を買う』(フジ)も以前ドラマ化された。

「週刊新潮」に掲載された、文庫の自社広告。

 周知の通り、昨年、ドラマ『半沢直樹』(TBS)が最終回視聴率42・2%という大ヒットを記録し、高視聴率ドラマ原作者として世にその名を知らしめている池井戸潤。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの池井戸だが、出版界の一部から「取り扱いが面倒くさい作家」として名前が挙がっているという。中堅出版社編集の話。

「池井戸さん自身は、人当たりもよくソフトな方。義理堅く、小説家として超多忙になった現在でも、売れてない時期に世話になった近代セールス社という業界専門の出版社から、コンスタントにビジネス書の原作を手がけているほど。ただ、事務所のマネージャーが、非常にやりづらい。連載、書籍出版、ドラマ化、プロモーション稼働などの各面で、金銭的にものすごく厳しい要求をしてくる。時には池井戸さんの今後の執筆などをちらつかせながら、強引な物言いをしてきて、各担当編集はかなりしぼられていますよ。マネージャーとしては優秀なんでしょうが、編集者とは、それなりに緊張関係にあります」

 もちろん、こうした振る舞いは、売れていればこその話であるし、売れっ子作家には頭が上がらない出版社にも事情はあるのかもしれない。だが、天狗になるあまりに横暴な振る舞いが目立つと、”担当者潰し”として名を馳せてしまい、最終的には出版社との関係がこじれるような事態に陥ってしまうかもしれないので要注意だ。

出版界の禁じ手版権騒動が勃発

『有川浩』
高知県出身の作家。今年1月クールに『三匹のおっさん』(文藝春秋)が、テレビ東京でドラマ化し大ヒット。それ以外にも多数の著作が映像化されている。

 売れっ子の池井戸はさておいて、文芸出版界隈では、作家・有川浩の周辺で起きたとあるトラブルが話題となっている。大手出版社の営業担当者が話す。

「先月、すでに文藝春秋から文庫が発売されていた有川の小説『三匹のおっさん』が突如、新潮社からも文庫版が発売されました。その後、『週刊新潮』(新潮社)6月19日号には、この文庫版を宣伝する自社広告も掲載されています」

 同作は、今年1月にテレビ東京でドラマ化されヒット、文庫版は約80万部を売り上げた。ドラマは続編も噂されており、こんなドル箱が、このタイミングで他社から発売されるというのは、あまり聞いたことがない話。一体どういうことなのか? 営業担当者は困惑して続ける。

「有川は以前にも、角川書店(現KADOKAWA)から発売された『植物図鑑』の文庫版が、幻冬舎から刊行されるということがあり、その裏でトラブルがささやかれました。とはいえ、その後は再び、KADOKAWAから別の書籍が発売されています。ところが今回は、版権がまるごと他社に移っており、こんな話はめったにないことです」

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