――世界各地における中国人観光客の評判が悪いことに対して、中国という国は無自覚でいるわけではなく、観光マナーに関するガイドブックを国民に配布している。ただし、その内容はツッコミどころが多いようだ。
中国国家観光局が発行する「観光マナーの手引き(文明旅游出行指南)」最新版。イラストを多用して各種マナーを解説しているが……。
2013年10月、中国国家観光局は中国人観光客と中国に対するイメージを改善するため、64ページにわたる「観光マナーの手引き(文明旅游出行指南)」を発表し、渡航者などに配布した。これまでも観光マナーや注意事項が何度か発表されていたが、これはイラスト付きの最新版である。内容の一部を抜粋すると次の通り。
■痰やガムをところ構わず吐かない、ゴミをポイ捨てしない、ところ構わず大小便をしない、公衆の面前で鼻をほじらない。
■タバコは喫煙所で周りに配慮しながら吸うこと。
■公衆トイレを長時間占領せず、便座に足跡を残さない、用を足したら流す。
■公共の場で大声でしゃべったり、寝転んだり、靴や靴下を脱いだりしない。
■TPOに合った服を着て、清潔を心がけ、上半身裸になったり、ふけを落としたりしない。
■バイキングでは、食べきれる量だけ取る。
「便座に靴の跡を残さない」というのは、中国の公衆トイレは汚いことが多く、便座には座らず土足で乗って和式トイレ風にしゃがんで用を足すという人が多いからである。しかし、「便座に足跡を残すな」ということは、しゃがむこと自体は容認しているようだ。