――一億総ヲタク化する現代ニッポン。自分の親も子どもの頃からゲーム好き……という10代もめずらしくない。そんな彼ら彼女らは何を思うのか? そこで、ゲーム好きの現役アイドルたちを緊急招集! いまどきの小中高校生女子が考えるゲームの楽しさ、そして危険性とは……?
(写真/江森康之)
1983年に任天堂からファミリーコンピュータが発売されて、はや30年超。子どもの頃からコンピュータゲームに親しんだ世代もすでに40代を迎えており、メディアで語られる「ゲーム」も大人の視点からのものが多い。つまり、最新のコンピュータゲームを最も身近に感じているであろうリアルな10代の本音は、なかなか見えてこないのだ。
そこで今回、ゲーム好きを公言する10代の現役アイドルたちを緊急招集。すなわち、小学生代表として講談社主催のアイドルオーディション「ミスiD2014」グランプリの蒼波純ちゃん、中学生代表としてアイドルユニット「乙女新党」の荒川ちかちゃん、高校生代表として同じく乙女新党メンバーの高橋優里花ちゃんの3人だ。
乙女ゲームにおける擬似恋愛、ソーシャルゲームの課金問題や“出会い系”的な使われ方などなど、大人がついつい心配になってしまう諸問題に関して、当の10代たちはどのように認識しているのか?ゲームへのアツい思いと共に語り合ってもらった。
――そもそもみなさんは、どういうゲームが好きなんですか?
荒川ちか(以下、荒川) ボクは『ドラクエ』とか『ペルソナ』とか、RPG系が多いです。お兄ちゃんがゲーム好きなので。
高橋優里花(以下、高橋) 私はお父さんの影響かな。『nintendogs + cats』とかマリオ系とか『みんなのゴルフ』とか。家族で楽しめるようなのが多いかも。
蒼波純(以下、蒼波) 私は……お母さんがゲーム好きで、家にファミコン、スーファミ、メガドライブ……いっぱいハードがあるんです。『ぷよぷよテトリス』『どうぶつの森』『星のカービィ』なんか好きだけど、ここ1年は『遙かなる時空の中で』『アムネシア』『Jewelic Nightmare』とか、乙女ゲーにハマってます。
荒川 アムネシアのキャラってほんとイケメンだよねー!
高橋 スマホ用の『吉祥寺★恋色デイズ』のキャラもカッコイイ!
荒川 3次元より2次元の男子のほうがカッコイイって思うもん。芸能界でイケメンだっていわれてる人を見ても、「あのキャラのほうがイケメンだな」って(笑)。
高橋 理想が高くなるよねー。
荒川 ハマっちゃってリアルな恋愛ができない友達もいる。「私の恋人はゲームの中にいるから大丈夫」って言ってたり。同い年の男の子のことなんか眼中になくなるんだよね。次元が違うから。って、ほんとに次元が(2次元と3次元で)が違うんだけど(笑)
――乙女ゲーをやってる時ってどういう気持ちなんですか?
荒川 (男性キャラのキザなセリフに対して)客観的に「バカなこと言ってるなー」って楽しんでる時もあるけど、疲れてる時は言葉が身に染みて「ああ、いい人だー」って思ったりもする。
高橋 ウソー! 私は結構マジメにドキっとしたりするよ。3次元でそういうことはないけど、2次元ではある!
蒼波 私は……「面白いこと言ってるな」って思うから、間に受けることはないです。でもハマっちゃう気持ちはわかるので……ほどほどにしたいです。
――みなさんのような10代がソーシャルゲームに熱中しすぎてしまい、親の知らぬうちに大金をつぎ込んでしまうといったことが一部で問題化しています。ゲームの課金についてはどう思いますか?
高橋 課金といえば、『パズドラ』(『パズル&ドラゴンズ』)にドハマリしちゃってます。やりすぎて、授業中パズドラのパズルの玉が前の黒板の上に見えてきて、「これをこっちにやったら消せる」とか無意識に考えてたり「カタカタカタ」って玉を動かす音が聞こえたり。
荒川 何それ怖い! ひょっとして乙女新党のライブ中もそうなんじゃないの!? 手を上げ下げするダンスをしながら、実は幻覚でパズドラをやってるとか(笑)。
高橋 さすがにそれはないよ(笑)。あと家では、iPod touchとiPhone4Sと5S、iPadの4台を全部同時に使って、3台で1台を支援しながら遊んでる(無料のまま長時間プレイしているとポイントが切れて一時的に遊べなくなるが、他プレイヤーからポイントを送ってもらうことも可能)。
荒川 ズルいよそれ!
高橋 ズルいけど、そしたら課金しなくてすむじゃん。あ、でも『パズドラ』がハローキティとコラボした時には、あまりのかわいさに1回だけ課金しちゃった。
荒川 そうなの? 絶対課金しないタイプだと思ってた。
高橋 アメーバピグ(アバターを作って同じ登録者とチャットやゲームなどをするネットサービス)がはやってた中3くらいの時に5000円くらい課金したよ。
荒川 えー、もったいないよ!
高橋 でもちょうど同じ頃に子どもの課金問題がニュースになって、「16歳未満は課金禁止」ってルールに変わっちゃった。まだ支払ったお金が残ってたのにできなくなっちゃって、ショックだった……。
――課金ゲームへの支払いはどのようにやっているんですか?
高橋 ピグは、携帯料金に含まれる形でした。『パズドラ』は iTunesカードを買うんです。この間はLINEのスタンプも欲しかったから、1万円分買いました。
荒川 課金するくらいなら、ボクはPSPとかのゲームを買うかなー。『ドラクエ』とかなら定期的にクエストを配信してくれるから、ずっと同じゲームで楽しめるし。
蒼波 私は……課金はしないで、ポイントが回復するのを待つタイプです。高橋さんの言った「支援」も、まだ周りにケータイを持ってる友達が少ないからできないので。
――ゲームのハードやソフトって、10代のみなさんからすればすごく高額なはずです。そもそもお金はどうやって出しているんですか?
荒川 お小遣いとかお年玉をコツコツ貯めて。お仕事のギャラは、お母さんから「使ってもいいよ」って言われたら使います。
蒼波 私は……週のお小遣いが400円なので、クリスマスや誕生日やお年玉で買ってもらうことが多いです。あとはお母さんに勧めてみたりとか(笑)。ケータイはキッズケータイだけど、iPadを持ってるので、それで『魔法使いと黒猫のウィズ』とかスマホ用のゲームはやりますね。
荒川 そっかー、まだ小学生だもんね。中学になったら、みんなどんどんケータイを買い始めると思うよ。で、そうするとLINEをやり始めて、LINEのゲームもやっちゃうんだよねー。