三大映画祭ではベネチアが不人気、カンヌは厳格で疲れる!? 有名映画祭のホントの"評判"

――アカデミー賞と世界三大映画祭、そして最近要注目の2つの映画祭の実態をこっそりお届け!

あくまで「健闘をたたえる賞」
アカデミー賞

1929年設立。毎年1月にノミネートが発表され、2月下旬もしくは3月初旬に授賞式が行われる。過去1年の間にアメリカで公開された映画を対象とした賞であり、アメリカの映画産業に従事する人々の組合「アカデミー会員」の投票によって各賞を選出。「本質的には業界内の功績をたたえ合う場であって、作品に対する客観的な評価のための賞とは少し違う」とは竹内氏の弁。しかし、その知名度の高さはもとより、今年で86回を数えるという歴史の深さもあり、その影響力は絶大である。08年、滝田洋二郎監督の『おくりびと』が外国語映画賞を受賞。今年は宮崎駿監督の『風立ちぬ』が長編アニメーション部門にノミネートされている。


[有名国内受賞作]
『おくりびと』

監督:滝田洋二郎/出演:本木雅弘ほか/発売:アミューズソフトエンタテインメント
チェロ奏者になるという夢に破れた小林大悟(本木)は、不本意ながら納棺師の職を得るが、徐々に仕事の意義に目覚めていく。アカデミー賞外国語映画賞のほか、第32回モントリオール世界映画祭(カナダ)でグランプリを獲得した。(08年公開)



おフランス式の超格差社会
カンヌ国際映画祭

1946年より、フランス政府の主催によって毎年5月にフランス南部の高級リゾート地カンヌで開催。今年で第67回を迎える。ヨーロッパ最大級の映画見本市も併催されることから、プロモーターやセラー、バイヤーなど世界中の映画関係者が大挙して押し寄せる。ただし、映画祭への貢献度に応じて宿泊施設から入場までおフランス式の厳格な待遇格差があり、参加歴もコネもない関係者には非常につらいとの声も。コンペ部門の最高賞は「パルム・ドール」。それに次ぐ「グランプリ」を07年、河瀬直美監督の『殯の森』が獲得。その河瀬監督が審査員を務めた13年は、是枝裕和監督の『そして父になる』がコンペ部門に出品され、審査員賞を獲得した。


[有名国内受賞作]
『殯の森』

監督:河瀬直美/出演:うだしげき、尾野真千子ほか/発売:NHKエンタープライズ
妻を亡くした認知症の老人(うだ)と新任介護福祉士(尾野)。それぞれの胸の内に深い喪失を抱えながら生きる2人は、互いに反発しながらも、やがて心を通わせていく。第60回のカンヌでグランプリを獲得、監督の河瀬は13年にカンヌの審査委員も務めた。(07年公開)



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